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GROMACS チュートリアル 水のMD 導入

水のMD

ここではおそらく最も簡単なGROMACSのMDの例として、水(溶媒のみ)のMDを実行してみます。

物理や化学の話はとにかく省略して、GROMACSのコマンドの流れ、ファイルの取り扱い方などに最短距離で触れられるかと思います。

前提

環境

  • Linuxなどの何らかのOSにおいて端末上でコマンドを実行できること。
  • GROMACSをインストールしてあること。

以下のコマンドが動くことを確認してください。

gmx --version

Version

GROMACS 2018でテストしています。
2018以外でもGROMACS 5 以降なら大丈夫だと思いますが、確証はないです。

全体の流れ

GROMACSに限らずMDでは

  1. 無理のない構造の生成
  2. 統計力学的な平衡状態に持っていく
  3. サンプリング

という流れで行い、またそれぞれのステップでは細かく見ると

  1. 原子間・分子間の相互作用パラメータ決め
  2. 原子の初期座標決め
  3. MDの条件決め
  4. MD実行
  5. 結果の解釈

といったことを行う操作を実行します。(状況により何か手順をスキップしたり、逆に特別な処理を増やしたり手順を繰り返したりすることも多いです。)

今回取りあげた水は溶媒として非常によく使われる対象で、GROMACSにおいても簡便に準備することできるようになっています。そこで今回はそれを活用することで、
いくつかのステップを大きく省略し、MDの流れをおさらいすることにします。

次のページから実際に実行していきます。

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