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HPCシステムズのエンジニア達による技術ブログ

Tech Blog

2020-12

計算化学

VASP:事前/事後処理に使うソフトウェアの紹介

はじめに この記事では、GUI上で操作できる無償のものを中心に、VASPの事前・事後処理を行うソフトウェアを紹介します。 入力ファイルを入手する VASPで計算を行うためには以下4つの入力ファイルを用意する必要があります。 POSCAR 対象となる物質の結晶構造データ POTCAR 物質中の各原子の擬ポテンシャルデータ INCAR 計算方法などの設定 KPOINTS 計算するk点の設定 初めて利用される方がこれらのファイルをいきなり自作するのは大変です。そこでまずは, 以下のデータベースから目的の物質を探し、入力ファイルを入手する...
HPC

VASP:結果の可視化について

はじめに VASPは密度汎関数理論(Density Functional Theory: DFT)に基づいて電子状態を計算するソフトウェアです。擬ポテンシャル法を採用しており、全電子計算を行うWIEN2kなどのソフトウェアに比べて高速に計算できます。また、精度に関しても良い成績を残しており、様々な分野で広く使われています。 しかし一方で、VASPの出力形式は状態密度(Density of state: DOS)・バンド分散・フェルミ面などの基本的な解析結果を可視化しづらく、計算実行後に出力ファイルを編集する手間が必要です。この点はQuantum ESPRESSOの方がユーザーフレンドリーな...
計算化学

AMD Ryzen Threadripper で Gaussian

AMD Ryzen Threadripper はデスクトップPC用途ですが、コアをEPYCと共通化させているため、コア自体の底力は、なかなか期待できるものです。 Gaussian16 Rev. C.01 でいつものtest0397を動かしてみました。使ったCPUは Threadripper 3970X (32core, 3.7GHz) です。 けっこうIntel Xeonと善戦していることがわかります。手ごろな価格でGaussian計算機を探している方には朗報ですね。