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HPCシステムズのエンジニア達による技術ブログ

Tech Blog

物性物理

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VASP 6.4.1:i-PIを用いて経路積分分子動力学

LAMMPSユーザーの場合は、古くからtoolsに含まれているのでi-PIをご存じの方は多いと思いますが、VASPのユーザーの場合、知らないという方も多いかと思います。 i-PI は、Python で書かれたab initio 経路積分分子動力学(PIMD)の Python インターフェイスです。原子間の相互作用の ab-initio、機械学習、または力場ベースの評価と併用するように設計されています。イオンの位置の問題と、原子間力を計算する問題を切り離すという目的の為に開発されました。i-PI がサーバーとして機能し、位置エネルギー、力、および圧力ビルアルの位置エネルギー部分の計算はi-...
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VASP 6.4.1 : on the fly 機械学習力場

vasp 6.4.1がリリースされましたが、このバージョンで特に強化されているのが、機械学習力場の機能部分です。この機械学習力場を上手く活用すると、大変な計算時間の短縮になるので紹介します。 機械学習力場というと、「力場で計算した結果は信用出来ない」とか、「機械学習ならGPUが必要でしょ?高価なGPUは購入予定が無いので。」といった事を思われるかもしれません。力場の使用に関しては、自分が計算したい系を扱った力場で適切なものを選択するのが大変で、その選定や差異などをチェックするところでとても手間と計算リソースを消費する為、力場で計算する事で省力化可能より手間が大きくなりそうに思えるという事はあ...
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「富岳」でのアプリビルド検証状況

理化学研究所と進めさせていただいている「富岳」のクラウド的利用共同研究プロジェクトの中で、弊社でセットアップ実績のあるアプリケーションの「富岳」でのビルドに取り組んできました。 性能も電力対性能も世界一の「富岳」を使ってみたい、でもA64FX(aarch64)でいつも使っているアプリケーションが問題無く動くのかわからない、という不安もおありなのではと思いますので、生の事実を共有いたします。 量子化学 - Gaussian16 弊社では2020年7月からGaussian社と一緒に報告・検証を進めてきました。紆余曲折ありましたが、今年2月中旬に入手したGaussian社公式バイナリを用い...
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VASP:事前/事後処理に使うソフトウェアの紹介

はじめに この記事では、GUI上で操作できる無償のものを中心に、VASPの事前・事後処理を行うソフトウェアを紹介します。 入力ファイルを入手する VASPで計算を行うためには以下4つの入力ファイルを用意する必要があります。 POSCAR 対象となる物質の結晶構造データ POTCAR 物質中の各原子の擬ポテンシャルデータ INCAR 計算方法などの設定 KPOINTS 計算するk点の設定 初めて利用される方がこれらのファイルをいきなり自作するのは大変です。そこでまずは, 以下のデータベースから目的の物質を探し、入力ファイルを入手する...
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VASP:結果の可視化について

はじめに VASPは密度汎関数理論(Density Functional Theory: DFT)に基づいて電子状態を計算するソフトウェアです。擬ポテンシャル法を採用しており、全電子計算を行うWIEN2kなどのソフトウェアに比べて高速に計算できます。また、精度に関しても良い成績を残しており、様々な分野で広く使われています。 しかし一方で、VASPの出力形式は状態密度(Density of state: DOS)・バンド分散・フェルミ面などの基本的な解析結果を可視化しづらく、計算実行後に出力ファイルを編集する手間が必要です。この点はQuantum ESPRESSOの方がユーザーフレンドリーな...