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Gen4とGen5 NVMeの比較分析 ― 性能・消費電力・価格の観点から

近年、エンタープライズストレージ分野ではPCIe Gen5対応NVMe SSDが各社から登場し、従来主流であったGen4世代からの移行が進みつつあります。AI、ビッグデータ分析、仮想化基盤の高度化に伴い、より高いスループットと低遅延を実現するストレージへの需要が高まっています。 

PCIe Gen5はGen4の2倍となる帯域幅を提供し、次世代データセンターにおける標準技術として期待されています。本稿では、Gen4とGen5のNVMeを比較し、その性能や消費電力、導入価値について整理します。 

Gen4とGen5 NVMeの比較 

① 性能比較 

KIOXIA CD8P-R Samsung PM9D3a

当社製品で採用している代表的なNVMe SSDのシーケンシャルアクセスのカタログ性能を以下に示します。 

表1. シーケンシャル性能比較(MB/s) 

Gen5製品はGen4製品に対して約2倍の読み出し性能を実現していることが分かります。特に読み出し性能は12,000MB/sという高いスループットを誇り、大規模データ処理やAI用途に適した性能を備えています。 

注意すべきことは、この性能はGen5をサポートしているCPU・サーバに搭載した時の性能であることです。Intel Xeon製品では第4世代(Sapphire Rapids)以降、AMD EPYC 製品では第4世代 (Genoa)以降のサーバ製品であることが必要です。 

実は Gen4世代のサーバでもメリットがあります。これは後述します。 

次にNVMeの容量ごとの性能を詳しく見てみましょう。 

表2. NVMe容量毎のシーケンシャル性能比較(MB/s)

   注) -: 製品がない、空白:情報がない 

 

読み出し、書き込み共に容量が大きくなるにつれ性能が向上しています。これは容量が大きくなるにつれ読み出し/書き込みを行う並列度が上がるためです。但し最大容量30TBでは読み出し/書き込みの性能が僅かに低下しています。この理由は次に示す消費電力で説明することができます。 

② 消費電力比較 

次に、消費電力の比較結果を示します。 

表3. 消費電力比較 

注) -: 製品がない、空白:情報がない 

 容量が大きくなるにつれ電力が大きくなる傾向があります。大容量NVMeでは同時並列にフラッシュメモリに対して読み出し/書き込みを行うことで高性能化を実現しており、それに伴い消費電力も増えるためです。但し最も容量の大きな30TBのNVMeは15TB品に比べ若干性能が低下しています。これは消費電力を減らすため、同時並列に行うフラッシュメモリの数を制限しているためと推測できます。 

特筆すべきことは、Samsung PM9D3aは、Gen5製品でありながらGen4製品と同等レベルの電力に抑えられていることです。このように消費電力が従来製品と同等であれば、既存サーバの電源容量やNVMeの発熱を考慮したサーバの熱設計を変更する必要がありません。これにより、サーバのメーカーは検証工数を削減でき、ユーザは従来のサーバに高性能のNVMeを導入できコストダウンが可能になります。 

Gen5 NVMeをGen4環境で利用した場合 

Gen5 NVMeは後方互換性を備えており、Gen4対応サーバでも利用可能です。 

表4. Gen5用をGEN4利用した場合の性能(MB/s) 

 Gen4対応サーバで使用した場合、性能はGen4の伝送速度上限に制限されるものの、既存のGen4製品と同等以上の性能を発揮し、特に書き込み性能は大幅に向上する場合もあります。価格差が大きくない場合はGen4対応サーバであっても性能や投資保護の観点からGen5 NVMeは有力な選択肢となります。 

Gen4製品とGen5製品の価格差 

サーバ向けNVMe SSDにおいて、Gen5製品は従来のGen4製品と比較して大幅に高価であるというイメージがありますが、実際にはその差は大きくはありません。サーバ向け製品では、Gen5 NVMeはGen4に対してやや高価ではあるものの、その差はおおむね数十%以内に収まることが一般的です。この背景には、高密度フラッシュメモリの採用があり、部品点数を抑えた構成が進んでおり、同容量あたりの実装コストが低減していることがあります。 

もちろんGen5 に対応した高速・高性能コントローラ採用などGen4製品よりコストが高くなる要素も存在しますが、性能向上を踏まえると価格差は限定的であり、コストパフォーマンスの観点ではGen5 NVMe製品は十分に競争力を持つ製品群となっています。 

総括 

PCIe Gen5 対応NVMe製品はGen4対応NVMe製品と比較して大幅な性能向上を実現する次世代ストレージです。価格が僅かに高いという課題はあるものの、性能効率と将来性に優れています。またGen4環境でも利用可能であるため、既存のサーバへのNVMe増設においても有力な選択肢となります。このように今後のエンタープライズ基盤において、Gen5 NVMeは重要な役割を担うと考えられます。 

HPCシステムズ マーケティング担当です。
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