第12世代Coreプロセッサーについて
第12世代 | 第11世代 | |
コア構成 |
高性能コア+高効率コア 高効率コアのみ(Core i5 Kなし以下) |
高性能コアのみ |
コア/スレッド(最大) |
Core i9 : 16コア/24スレッド Core i7 : 12コア/20スレッド Core i5 K : 10コア/16スレッド Core i5(Kなし) : 6コア/12スレッド Core i3 : 4コア/8スレッド |
Core i9 : 8コア/16スレッド Core i7 : 8コア/16スレッド Core i5 : 6コア/12スレッド |
対応メモリ |
DDR5-4800 DDR4-3200 |
DDR4-3200 |
PCIe | 5.0 | 4.0 |
内蔵GPU(iGPU) |
UHD Graphics 770(32EU) UHD Graphics 730(24EU) |
UHD Graphics 750(32EU) UHD Graphics 730(24EU) |
ソケット形状 チップセット |
LGA1700 Intel 600シリーズ(Z690等) ※前世代と互換性なし |
LGA1200 Intel 500 / 400シリーズ(Z590等) |
PコアとEコアを搭載
Pコア:高性能処理に適したコア
Eコア:高効率(低消費電力)なコア
~記事抜粋~
第11世代Coreでは、CPUコアの種類は1つで、Tiger LakeにはWillow Cove、Rocket LakeにはCypress Coveという高性能CPUコアが搭載されてきた。それに対してAlder Lakeではそうした高性能
CPUコアとしてWillow CoveやCypress Coveの後継となる「Golden Cove」が搭載されている。それに加えてAlder Lakeでは高効率CPUコアとなる「Gracemont」も同時に搭載されており、両方を有効にしたり、どちらかだけを有効にしたりという柔軟な使い方が可能になっている。例えば、OSがアイドルになって消費電力を抑えたい場合には高効率コアだけを有効にして、最小限の状態で動き続けることが可能になる。その逆にフルに性能を発揮したい場合には、高性能コアと高効率コアの両方を有効にして処理を行ない、性能を最大化できる。そうした高性能と低消費電力という相反する命題を実現するのがAlder LakeのハイブリッドCPUとなる。
Windows11で最適化される第12世代Coreプロセッサー
第12世代Coreプロセッサーのもつ2つのコアを最適化する機能はWindows11で搭載される。
優先度が高いタスクには高性能コア(Pコア)が割り合えられる
バックグランドのタスクには高効率コア(Eコア)が割り当てられる
AIなどでは高性能コアがすべて割り当てられる
構成比較
第11世代構成: | 第12世代構成: |
M/B:Z590 チップセットマザーボード CPU:Intel Core i9-11900K メモリ:DDR4-2133 8G Unbuffered DIMMx2 PSU: 1200W ATX |
M/B:Z690 チップセットマザーボード CPU:Intel Core i9-12900K メモリ:DDR4-3200 16G Unbuffered DIMMx4 PSU: 750W ATX |
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※テストはパワーリミットを掛けて、公式仕様通りにテストを行います。
消費電力測定
システムの状態ごとに消費電力を測定。第12世代CPUの消費電力は新しいリソグラフィー技術[Intel 7(10nm)]により、大幅に削減されました。
CINEBENCH R23テスト
Cinema 4Dを使い、レンダリング計算をテストしました。第11世代と比べ第12世代は、搭載されているEコアにより、性能が全体で40%以上、コア単体で18%上昇します。
3DMARK:CPU Profile
スレッド数に応じたCPUパフォーマンスの測定(FLOPS)。いづれの場合も、第12世代が同じテスト条件で高いパフォーマンスを出しています。
3DMARK:Time Spyテスト
ゲーミングPC用のDirectX12ベンチマークテスト。第12世代CPUを使用した場合、 スコアはより高速となります。
3DMARK:Fire Strikeテスト
ゲーミングPC向けのDirectX11ベンチマークです。2つのグラフィックテスト、一つの物理計算テスト、そして結合計算が含まれています。Fire Strikeの傾向はTime Spyより強いと見えます。同じテスト条件で第12世代は全面的に優れています。
PCMARK: Essentials
一般的なPC操作におけるパフォーマンス結果は以下になります。
PCMARK: Productivity
オフィスソフトを使用した場合のパフォーマンスは以下になります。
PCMARK: Gaming
GPUのリアルタイムグラフィックスとCPUの物理演算パフォーマンスは以下になります。
PCMARK: Digital Content Creation
デジタルコンテンツの各種編集機能におけるパフォーマンスは以下になります。Win11から導入されたIntel Thread Director 技術により、第12世代CPUのタスク分配を最適化します。※現在ITD技術サポート対象は第12世代CPUのみとなります。
補足資料 Z690プラットフォーム追加テスト
Z690プラットフォーム追加テスト
構成:
M/B:ASRock Z690 Steel Legend
CPU:Intel Core i9-12900K
メモリ:Century PC4-25600 DDR4-3200 16G
Unbuffered DIMMx4
検証OS:
Windows 10 Pro
Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2021
Windows 11 Pro
テスト項目:
①BIOS確認
②消費電力測定
③CPUクーラー検証
ベンチマーク測定
④CINEBENCH R20、R23テスト
⑤Prime95 負荷テスト
⑥3DMARK テスト
⑦PCMARK テスト
BIOSの確認
BIOS画面でCPUとメモリは正常に認識しています
デフォルトCPU設定は下記の通りです。
消費電力テスト
各OSの違いによる消費電力差はほとんどありません。
テスト状態 |
Windows 10 Pro |
Win10 IoT Enterprise LTSC 2021 |
Windows 11 Pro |
待機状態 | 3W/8V | ||
起動瞬間最大値 | 53W/198V | ||
スリープ状態 | 3W/8V | 3W/8V | 3W/8V |
アイドル状態 | 33W/36V | 55W/57V | 50W/52V |
負荷状態 | 333W/337V | 323W/327V | 322W/327V |
CINEBENCH R23 瞬間最大値 |
305W/308V | 309W/313V | 307W/315V |
CPUクーラー検証
LGA1700対応の二種類のCPUクーラーにて温度比較検証を実施します。
テストの流れ:
① CINEBENCH R23で10分間負荷を掛け回す。
②テスト終了後常温までの冷却スピードを観察する。
CPUクーラー温度推移比較
LクーラーはMクーラーより5~6℃冷却が可能です。常温までの冷却スピードはMクーラーの2倍となります。
Prime95 テスト
Prime95負荷ツールにて、Pコア・Eコアともに100%負荷がかかり、クロックもスペック通り動作しました。
HWMonitorも全てのCPUコアが正常に認識しています。
3DMARK テスト
3DMARKのCPU独立テストでZ690M Phantom Gaming 4の結果を比較するとWin11 Proのスコアは若干下がり、LTSC2021のスコアは若干上がりました。
PCMARK: Essentials
PCMARK: EssentialsではLTSC 2021のパフォーマンスが最も優れています。
PCMARK:Productivity
PCMARK:Productivityでは、Win11 Proは劣勢になっており、OS効率では無駄なアプリがインストールされていないLTSC 2021が最も良い結果となりました。
PCMARK: Gaming
物理計算以外の各スコアは平均的ですが、 Win11に対して、物理計算は恐らくはまだ最適化してないと思われます。
ゲーミング性能としてはWin10 Proがベストな選択となります。
PCMARK: Digital Content Creation
写真や動画編集反映の計算は全部CPUで処理されます。
Win11のみに対応しているIntel Thread Director 技術により圧倒的に高い結果となりました。
このテスト結果により、Alder Lake プラットフォームはWin11との相性が良いとの結果が得られました。案件の検討にはOS選択も重要となります。
画像処理・マシンビジョン向け タワー型PC
第12世代Core™ i9プロセッサ搭載
PCIe Gen 5.0対応のハイエンドGPUを搭載可能

IPC-A690SL-T
■第12世代 インテル® Core™ プロセッサー搭載可能
■インテル® Z690チップセット装備
■最大128GBメモリー搭載可能
■PCI-Express Gen 5.0対応
■NVIDIA RTX / GeForce RTX 30シリーズを搭載可能
■USB3.2×8ポートを装備
■マルチギガビットイーサネット(2.5GbE)を装備
■最大1500W出力可能な日本製電源ユニットを装備
画像処理・マシンビジョン向け タワー型PC
ハイエンド向けインテル® Z690チップセットを採用
製品品質と生産効率を向上させるためには、撮像する画像データを精細で高解像度化する必要があります。一方、産業用コンピューターに求められる処理能力は低遅延であり、更なる高速性が求められています。第12世代インテル® Core™ プロセッサーは全世代と比べコア数が増えたことでマルチスレッド性能が飛躍的に向上。また、前世代の2倍の帯域幅を実現するPCIe 5.0のサポートといった次世代規格の対応により、高速処理を実現します。
PCI-Express Gen 5.0のハイエンドGPUを搭載可能
NVIDIA® AmpereアーキテクチャーのNVIDIA RTXシリーズ / GeForce RTX 30シリーズを搭載可能。GPUメモリーによる高速処理が求められるマシンビジョン、ディープラーニング、エッジコンピューティング分野などに適しています。