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HPCシステムズのエンジニア達による技術ブログ

Tech Blog

計算化学

GROMACS チュートリアル 水のMD サンプリング

簡単な水のMDを用いて、GROMACSの使い方をおさらいします。このステップでサンプリングを行います。
HPC

M6g 触ってみた (2) -OpenFOAM ベンチマーク結果-

はじめに 前回の記事でAWS EC2 M6gインスタンスに使われているGraviton2についての簡単な紹介と、HPLベンチマークの結果を掲載しました。今回はOpenFOAMについてのベンチマーク結果をご紹介します。実のところA1インスタンスの登場時にも同様の検証を行っていましたが、当時はこのブログもなかったので、私が参加した勉強会などのLT等で紹介するにとどまりました。 ベンチマーク内容 これも前回触れましたが、OpenFOAM-v1912をUbuntu20.04LTS標準のgcc-9.3.0, OpenMPI-4.0.3でビルドしました。ベンチマークデータは弊社も賛助会員のオープンC...
HPC

M6g 触ってみた (1) ーARM64の広がる世界ー

はじめに SARS-CoV-2対策のため、未だ未完成の富岳の起動が発表されたことに、オタク心をくすぐられた方も多いのではないかと思います。富岳はCPUがARMベースであることも知られており、1CPUあたり48コアにおよぶ計算用コアはHPCに必要な演算性能を生み出しますが、カタログ上の最大演算性能は内蔵されているSVEと呼ばれるベクトル演算ユニットに依るところが大きいと思われます。ARMはCPUが持つべき基本機能を備えた設計のみをライセンス販売していて、開発者はそれをたたき台にアレンジしたり、SVEのような付加機能を付け足したりすることで、実際のCPUを設計・製造します。これによりCPU全体や...
DL

NVIDIA A100 GPU製品が発表されました!

オンライン開催の GTC 2020( )にて NVIDIA CEO Jensen Huang氏 の Keynote がアナウンスされました。発表は NVIDIA YouTube Channel ( ) で 公開されています。プレイリストはこちらです。 AIやデータサイエンス、HPC、自動運転やグラフィックなどに関する新情報が次々と出てきています。 NVIDIA A100 GPU。最新Ampere世代、TensorFloat32に対応し、Sparse Matrixに最適化された新たなTensorCore と 1.5TB/sの高帯域なHBM2を備え、PetaOPS級の性能。ますますD...
CTO

マシンビジョン分野で処理性能を向上させるために ―DDR4とDDR3のメモリー性能比較

マシンビジョン・システムに適した産業用PCは既にさまざまな分野で使われていますが、いざ実際にシステムを組んでみても思うようなパフォーマンスが出せず、オーバースペック構成になってしまい必要以上に高価なハードウェアへの買い換え等により予想外の出費を迫られるケースが少なくないようです。そのような事態を防ぎ、必要なパフォーマンスと費用対効果が得られる産業用PCを設計・選択するために知っておくべき、メモリー性能について今回は考えてみたいと思います。 マシンビジョン分野における 処理性能向上にお悩みではありませんか? マシンビジョン分野における処理性能向上の悩みをコストパフォーマンスよく解消するために...
計算化学

GROMACS チュートリアル 水のMD NVT

簡単な水のMDを用いて、GROMACSの使い方をおさらいします。このステップではNVTにより、系の温度を室温程度にします。
計算化学

「電子構造論による化学の探求 第3版」例題2.1解説

はじめに  「電子構造論による化学の探求 第3版」というGaussianの教科書をご存知でしょうか。Gaussian計算に関する多くの話題や問題が掲載されており、あくまで個人的意見ですが、初心者から上級者まで習熟度に関らず、Gaussianを取り扱う者にとってはお勧めの一冊と思います。ただ、全くの初心者にとってはやや難しいと思われる内容や表現もあり、このブログではこの教科書の例題・演習問題の内容を補足・解説していければと思います。今回は例題2.1について採り上げます。 インプットファイルについて  Gaussianのインプットはテキストファイルとして扱うことができます。実際、45ページに...
計算化学

GROMACS チュートリアル 水のMD エネルギー最小化

水を用いた簡単なMDを用いて、GROMACSの使い方をおさらいします。このステップではまず、エネルギー最小化を行います。
計算化学

GROMACS チュートリアル 水のMD 導入

最も簡単なGROMACSのMDの例として、水(溶媒のみ)のMDを実行してみます。
CTO

産業分野における「ディープラーニング」と、その取り組み ~はじめての製品選びからハンズオン、構築まで

ここ数年、AI(人工知能)がブームになっています。グーグルが開発した「AlphaGo」が韓国のトッププロ棋士に勝利した「ニュース」を衝撃的に受け止めた方も多いと思います。AlphaGoは碁の対局に、「ディープラーニング(深層学習)」を用いたことで有名です。碁のように身近な応用例があるとはいえ、ご自身のビジネスとはまだ遠い世界だと感じている方も多いのではないでしょうか?しかし、既に多くのビジネス現場で、ディープラーニングを応用した技術が使われ始めています。 第3次AIブームを支える技術/手法のひとつ 「ディープラーニング」とは? 現在のAIブームは第3次になります。過去のAIブームとの大きな...
HPC

リモート会議について

背景 ここ数年のHPC環境では、CPUやGPUによる計算コストよりも、データを移動するコストが支配的になっているという認識がますます強くなっています。どれだけ計算能力が高くてもデータが届かなければ、計算した結果を保存できなければ、せっかくの高速な環境はそれを待つことに時間を浪費しパフォーマンスが劣化します。メモリからのデータ転送でキャッシュのアルゴリズムが重要な要素となり、低遅延のネットワーク、ストレージの役割がますます大きくなっています。お金のかけ方が以前とは変わってきているわけです。一方でデータを動かすのではなく、データを中心にしてシステムを割り当てていくデータセントリックという、逆転の...
HPC

AWSが拓いたLustreファイルシステム新時代 -3-

前置き 前回の記事で「短期決戦・スクラッチ向き」とか書いた途端に、永続的ストレージの発表があり、頭を抱えた筆者です。多数のユーザーが混在するクラウド上においてはパフォーマンスと同時にセキュリティも重要ですが、条件付きながらデータ転送も保存データも暗号化されています。普通のLustreでは行われていないOSTの2重化すら実現しています。さらにパフォーマンス向上も実現しています。これでAWS上に「普通のLustre」をつないだ「普通のスパコン」を運用する上で必要な、ある意味それ以上の「モノ」はほぼ揃ってしまいました。今回はその作り方と使い方を簡単に勉強しておきましょう。 AWSとHPC環境につ...
HPC

SingularityコンテナでAMD GPUを試す -2-

前置き この記事を書いている間にSingularityはEPELリポジトリから最新の3.5.3がインストールできるようになり、GROMACSは2020.1がリリースされました。ちなみにGROMACSは「誤った結果を出す」という理由で、GROMOS力場を削除していくようで、以前のデータがそのままでは使えなくなったり、計算結果が異なる可能性があります。ただ、2020.1にもファイルは従来どおり残っているので(使おうとするとワーニングは出ますが)一応計算は実行でき、ベンチマークの取得は可能です。 GROMACSに関する予備知識 分子動力学計算は単一の計算を繰り返しているわけではなく、近距離にあ...
HPC

SingularityコンテナでAMD GPUを試す -1-

背景 コンテナを使う時よく問題になるのは、特殊なハードウエアを使う場合にデバイスドライバとそれを叩くライブラリの組み合わせ問題です。コンテナはカーネル空間を分離してユーザーランドだけで動きます。つまりカーネルとデバイスドライバは管轄外になります。一方でアプリケーションを動かすライブラリはユーザーランドつまりコンテナ内にあります。せっかくのポータビリティがコンテナにあっても、このミスマッチでアプリが動かないのでは困ります。HPCではGPUをはじめ、Infinibandだったり、特殊機材のハードウエアや他のマシンのメモリすら直接叩いてパフォーマンスを最大化してきた歴史があります。そもそもコンテナ...
HPC

AMD EPYC Rome の性能検証その3(Amber18)

今回ベンチマークを行うアプリケーションはAmberです。 Amberは生体分子シミュレーション用アプリケーションです。(公式HP) Amber は 有償のSolverと無償のツール群(AmberTools)に分かれており、 SolverのビルドにはAmberToolsのビルドも必要になります。 2020年2月17日時点での最新版は、Amber(Solver)がVersion 18 、 AmberTools が Version 19となります。 前回のHPLと同様に、Compiler、数値演算ライブラリ、MPIを変化させてベンチマークを取得していきたいと考えていたのですが... ...
HPC

AWSが拓いたLustreファイルシステム新時代 -2-

旧来の普通のLustreとクラウド上のLustreの着眼点の違い 前回はLustreファイルシステムの概要を解説をしました。Lustreがどのようなコンセプトで設計され、大容量と高性能を実現しているのかおわかりいただけたのではないでしょうか。さて、前回少し触れましたが、MDS/OSSをそれぞれ2重化して可用性を高めた「普通のLustreの構成」を図にすると、次のようになります。 Lustreをオンプレミスで構成して安定運用しようとすれば、導入コストは数千万円〜になり、高度な技術と経験が必要です。しかし最大スループットなどについてある程度目をつむれば、AWS上でこうした構成を組むことはテ...
HPC

AMD EPYC Rome の性能検証その2(HPL)

さて、今回から実際のアプリケーションについて検証を行っていきます。 今回の実行するアプリケーションはHPLです。 ご存知の方も多いと思いますが、HPLは行列演算能力を測定するベンチマークプログラムです。 HPLは単純なプログラムであるため、実際の科学技術計算の性能傾向との間には乖離があると指摘されていますが、 未だにTop500の指標として使用されているように、純粋な計算機の演算能力を図る指標としては有用だと考えています。 検証対象のハードウェアは以下の通りとなります。 比較のため、Intel社製ハードウェアも用意しました。   CPU Memory O...
HPC

AMD EPYC Rome の性能検証その1

昨年、AMD社製サーバ向けCPUブランド EPYCシリーズの第2世代、AMD EPYC™ 7002シリーズ・プロセッサー が販売されました。 このシリーズは x86-64互換(Intel社製Xeon互換)で、Rome(ローマ)というコードネームで開発されていたものです。 この第2世代EPYCプロセッサは、科学技術計算分野において非常に注目されており、弊社でも Gaussian についてベンチマークを実行して性能測定を行っております。 それ以外のアプリケーション、特にソースコード配布でビルド作業が必要なもの、について、本ブログにおいて複数回検証を行っていきたいと思います。 さて、実際のア...
HPC

arXiv新記事を自動で見張らせてみた

概要 IFTTTの面白さを再発見し、作ってみました。arXiv(RSS feed) ⇒ IFTTT ⇒ Slack 、これでイメージできる方は、はい、それです。 背景 新しい学術情報の収集にarXivのプレプリントを見ている方は少なからずいらっしゃるでしょう。もちろん、それ以外の論文掲載サイトもたくさんありますが、大抵、更新があるかどうかは見に行かないとわからないし、それに、見に行ったけど更新がなくて残念ということもあるでしょう。更新があったときだけ高頻度に読むメディアに通知してくれたら便利ですよね。それも、自分の興味のあるキーワードに引っかかる更新だけについて通知してくれたら・・・。私...
HPC

Intel Data Center Managerについて

概要 監視や管理を行うソフトウェアの分類にData Center Infrastructure Management というものがあります。 Data Center Infrastructure Managementはデータセンター内の資産管理を行うソフトウェアです。 具体的には、サーバラックが何台あり、どこに配置されているか? ラックの温度は何度か、消費電力は何wか?といったことを集約して集中管理することができます。 Intel社からData Center Manager(以下DCM)という有償ソフトウェアでリリースされています。 このDCMは各社のIPMIから、センサー情報を...