Reaction plus Expressは反応経路をたった数分で予測するソフトウェアです。DFTの代わりに半経験的手法を採用し、さらに独自の改良を加えることでReaction plus Proの数百倍、Reaction plusの数千倍という驚異的な計算速度を実現しました。
とはいえ、計算速度が速くても計算結果が実験結果と矛盾するのでは使い物になりません。著名な研究者の先生方にもご協力いただき、さまざまな反応系について検証したところ、多くの反応機構が定性的に説明できることが分かりました。実験前のスクリーニングのほか、高精度遷移状態計算の予備計算などにご活用ください。
半経験手法のため、計算精度はDFTよりは劣っています。弊社開発スタッフのほか著名な研究者方にもご協力いただき、どの程度使い物になるかを様々な反応系について検証したところ、ほとんどの反応機構が定性的に説明できることが分かりました。実験前のスクリーニングとしては十分な予測精度です。
反応名 | 反応機構 | 活性化エネルギー (Reaction plusによる予測) | 生成物 (実験) |
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Diels Alder反応 | exo型付加 | 26 kcal/mol | - |
endo型付加 | 19 kcal/mol | ○ | |
Friedel-Craftsアシル化反応 | 1位水素置換 | 2 kcal/mol | ○ |
2位水素置換 | 23 kcal/mol | - | |
一置換シクロブテンの開環反応 | inward回転 | 21 kcal/mol | ○ |
outward回転 | 32 kcal/mol | - | |
ホウ素ベンザインの [3+2] 環化付加反応 | proximal付加 | 6 kcal/mol | ○ |
distal付加 | 8 kcal/mol | - | |
ケイ素ベンザインの [3+2] 環化付加反応 | proximal付加 | 10 kcal/mol | - |
distal付加 | 8 kcal/mol | ○ | |
Mizoroki-Heck反応 | cis体生成 | 27 kcal/mol, 25 kcal/mol | - |
trans体生成 | 17 kcal/mol, 21 kcal/mol | ○ | |
Pd触媒クロスカップリング反応 | 2位水素置換 | 23 kcal/mol | ○ |
3位水素置換 | 26 kcal/mol | - |
※ 詳細は計算例をご覧ください。
一部の原子を固定するfreeze機能を搭載しました。これにより触媒表面モデルが扱えるようになりました。
半経験的量子化学計算エンジンを内蔵。別途Gaussianが必要だったReaction plus Proとは異なり、このソフトウェア単体で反応経路計算が始められます。
また、高性能な計算機が用意できなくとも、ワークステーションやパソコンでも10~20分程度で計算ができます。
「テクニックが知りたい」「エラーを解決したい」など、実際に使っていて出会う様々な問題に弊社スタッフが対応いたします。メールでの質問対応のほか、出張による対面での対応が可能です。
製品名 | Reaction plus Express for Linux | Reaction plus Express for Windows |
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反応経路最適化 | ○ | |
指定可能な中間構造の数 | 任意の数 | |
初期構造の座標軸の自動修正 | ○ | |
原子グループの固定 (不均一触媒の計算に必要) | ○ | |
計算結果を再利用した最適化計算 | ○ | |
量子化学計算手法 | 半経験的手法(PM6) ※1 | |
最大並列数 | 1ノード搭載コア数 ※2 | |
GUIによるインプットの作成 | GaussViewにて可能 ※3 | |
アニメーションの表示 | GaussView、VMDにて可能 ※3 | |
同梱物 | ソフトウェア本体、マニュアル | |
動作環境 ※4 | Linux 推奨環境: CentOS 6.2, 6.5, 6.7, 7.2 | Windows 推奨環境: Windows 10, 8.1(64bit) |
Reaction plus Express for Linux / for Windows |
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60 万円 (アカデミック 30万円 ※1) |
Reaction plus 使い方サポート |
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メールサポート | 出張サポート | |
内容 | 質問メール対応(ひと月あたり4回) + 使い方セミナー受講(初回のみ) ※1 | 対面での質問対応 ※1 |
価格 | 80万円/年 | 25万円/日 (10時~18時) |
OS | 動作報告 |
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CentOS 7.3 | ○ |
CentOS 7.2 | ○ |
CentOS 6.5 | ○ |
CentOS 6.4 | ○ |
CentOS 6.2 | ○ |
Ubuntu 14.04 | ○ |
Windows 10 (64bit) | ○ |
Windows 8.1 (64bit) | ○ |
製品名 | Reaction plus Express (2017年5月1日 発売) | Reaction plus Pro ver. 1.0 (2016年1月1日 発売) | Reaction plus ver. 1.0 (2015年5月1日 発売) |
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計算速度 (計算時間の目安 ※1) | ★★★★★ (数分程度) | ★★★ (数時間~数日) | ★ (数日~数週間) |
計算精度 (※詳細は、量子化学計算手法・基底関数の項を参照) | ★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
指定可能な中間構造の数 | 任意の数 | 任意の数 | 1構造まで |
初期構造の座標軸の自動修正 | ○ | ○ | × |
原子グループの固定 | ○ | × | × |
計算結果を再利用した最適化計算 | ○ | ○ | × |
量子化学計算手法 | PM6 | GaussianのOpt機能に対応するすべての計算手法 | HF, B3LYP, M06-2Xなど7種類 |
基底関数 | - | Gaussianで利用可能なすべての基底関数 | 6-31G、cc-pVDZなど24種 |
最大並列数 | 1ノード搭載コア数 | ||
別途必要なソフトウェア | なし | Gaussian 09 (有償) | NWChem 6.5 (無償) |
関連ソフトウェア
[1] Software to optimize reaction paths along the user’s expected ones, HPC Systems Inc., http://www.hpc.co.jp/chem/reactx.html (written in Japanese)
[2] H. Jónsson, G. Mills, K. W. Jacobsen, Nudged Elastic Band Method for Finding Minimum Energy Paths of Transitions, in Classical and Quantum Dynamics in Condensed Phase Simulations, Ed. B. J. Berne, G. Ciccotti and D. F. Coker, 385 (World Scientific, 1998); G. Henkelman and H. Jónsson, Improved tangent estimate in the nudged elastic band method for finding minimum energy paths and saddle points, J. Chem. Phys. 113, 9978 (2000)
平日9:30~17:30 (土曜日、日曜日、祝祭日、年末年始、夏期休暇は、休日とさせていただきます。)