計算化学 ソフトウェア

Reaction plus の使い方

1. インプットの作成

GaussViewで、始状態、終状態（＋必要に応じて仮の遷移状態）の分子構造を作成します。

3. Reaction plus の実行

4. 結果の確認

反応経路はGaussViewで可視化することができます。計算中はアウトプットファイルは随時更新されるため、最適化途中の反応経路を確認することもできます。

Reaction plusの仕組み

従来の遷移状態(TS)最適化では、TS構造が分からないにもかかわらず、TS構造に近い構造を初期値に指定する必要がありました。

Reaction plusでは反応経路全体を最適化するNEB法・String法を採用しています。

分子構造を１つのビーズに例えると、反応経路はビーズがひもで連なったものとして表すことができます。このひもを反応ポテンシャル曲面上でコロコロと転がしていくと、各ビーズがエネルギーが低くなる方向へ転がろうとする力とひもの束縛力のバランスにより、最終的にひもの形は解となる反応経路に収束します。これが反応経路最適化の基本的な仕組みです。

Reaction plusでは反応経路全体を最適化するNEB法・String法を採用しています。
分子構造を１つのビーズに例えると、反応経路はビーズがひもで連なったものとして表すことができます。このひもを反応ポテンシャル曲面上でコロコロと転がしていくと、各ビーズがエネルギーが低くなる方向へ転がろうとする力とひもの束縛力のバランスにより、最終的にひもの形は解となる反応経路に収束します。これが反応経路最適化の基本的な仕組みです。

まず、始状態・終状態の構造をユーザが与えると、その間に等間隔にビーズ（分子構造）が配置されます。

各ビーズに働く力に従ってビーズを最適化していくと、ビーズは始状態ないし終状態に向かって移動しようとしますが、隣り合うビーズが近づかないよう、ひもと直交する方向成分に動かすことによって、目的の正しい反応経路に近づいていきます。

ビーズの動きがなくなると、最適化は完了です。各ビーズに働く力はひもの方向、すなわち、反応経路に沿った方向のみであることから、正しく経路が求まっていることがわかります。

初期値として与える両端の分子構造は、安定構造である必要はありません。適当に初期値を与えても、反応経路が求まります。

「こんな反応機構はどうだろうか」とユーザが感覚的に与えた構造からも反応経路を求めることができ、これまでの研究の経験とセンスが活かせます。

よくある質問

ご購入前の質問

アカデミックパッケージに機能制限はありますか？

ソフトウェアの機能において制限はありません。ただし、研究成果を論文等で公開の際には本ソフトウェアを使用した旨を記載してください。

カタログはありますか？

カタログや計算事例集は、こちらのページからダウンロードできます。

体験版はありますか？

a) アカデミック利用においては、分子研のスパコン（＝分子科学研究所 計算科学研究センター）が無償で利用できます。
b) お客様の計算機環境を確認の上、期限付のライセンスを発行させていただいております。詳細につきましては、お問い合わせ下さい。

リース契約は可能ですか？

通常は買い取りにてのご購入となっておりますが、お客様のご都合に合わせて提案することは可能です。お問い合わせください。

サポートはありますか？

有償サポートをご用意しております。詳細はこちらをご覧ください。

どのくらいのスペックの計算機が必要ですか？

CPUコア数を重視した計算機構成をおすすめします。参考に、計算例のWittig反応(31ビーズ)では、Intel Xeon E5-2690 2.90GHz×2(16コア)搭載の計算機で計算時間は13時間(最適化サイクル=65回)でした。

Reaction plusの利用にGaussianは必要ですか？

Reaction plusではインプットファイル・アウトプットファイルにGaussianと同様のファイル形式を採用していますが、反応経路の最適化計算にGaussianは使用しません。

GUI（グラフィカルユーザインターフェース）は付属しますか？

付属しません。本ソフトウェアはコンソールアプリケーションです。インプットファイルの作成や化学反応の可視化については、GaussViewなどのソフトウェアをご利用ください。

バージョンアップは有償ですか？

マイナーバージョンアップに関しましては、保証期間内に限り無償でアップデート可能です。アップデート方法につきましては、リリース時にメールにてご案内いたします。

トラブルシューティングに関する質問

実行直後に終了してしまう。

a) ルートセクションのキーワードが正しく与えられているか、再度ご確認ください。
b) フォーマットを確認してください。タイトル→座標→タイトル→座標→…のようにタイトルと座標を交互に入力する必要があります。
c) 「geom=connectivity」に関連する追加セクションがインプットファイルに含まれていると、正常に動作しません。
d) NEB法は始状態・終状態を指定した計算のみに対応しております。中間状態を含めた3点の計算には対応しておりません。

IRC/Pathの結果の表示がおかしい。

Reaction plus では与えられた分子構造でのエネルギーが収束しなかった場合、その構造でのエネルギー値として0 が出力されます。GaussView のIRC/Path のエネルギー変化図にて見たい部分を拡大して表示するか、または、log ファイルで「E(scf) =0.000000000 」と表示されている部分のエネルギー値を適当の値（例えば、隣のビーズのエネルギー値）に置き換えて保存してから、GaussView で閲覧してください。

計算結果が思わしくありません。

アプリケーションの特性上、Gaussianと結果が異なることがあります。
また、始状態・終状態・中間状態の分子構造において原子の番号の対応が適切でないと、不適当な反応経路や遷移状態構造を与えることがあります。特に、水素原子についてはご注意下さい。