このキーワードを指定すると,時間依存(time-dependent)Hartree-FockまたはDFT法を用いて励起状態エネルギー計算を行います[109,110,111]。
なお,Gaussianで用いている規格化条件は<X+Y|X-Y>=1です。
円二色性(Electronic Circular Dichroism)解析もこの計算で実行することができます[255,256,257,258,259,260]。
一重項励起状態のみを解きます。閉殻系のときのみ有効であり,デフォルトです。
三重項励起状態のみを解きます。閉殻系のときのみ有効です。
三重項と一重項を半々にして解きます。閉殻系のときのみ有効です。
検討する状態を指定します。デフォルトは第1励起状態 (N=1)です。
M個の状態に対して解きます(デフォルトは3です)。50-50が指定されていたら,各状態に対して,指定した数だけ解を求めます(つまり,デフォルトでは一重項を3つ,三重項を3つ求めます)。
チェックポイントファイルから収束した状態を読み込み,さらにN個の状態を求めます。このオプションを指定したときは,Readも同時に指定したことになります。
チェックポイントファイルから状態を初期推測として読み込みます。SCFとは異なり,ある基底関数系に対する初期推測は異なる基底系に対しては使えないことに注意してください。
平衡あるいは非平衡PCM溶媒和で実行します。NonEqSolvがデフォルトです。
IVO推測を用います。これはTD Hartree-Fockではデフォルトです。NoIVOGuessにすると,推測にカノニカル1電子励起を用います。これはTD-DFTではデフォルトです。HFIVOGuessオプションを用いると,TD-DFTに対してもHartree-Fock IVOを用います。
sum-over state (SOS) で分極率等を求めます。デフォルトでは,全ての励起状態に対して求めます。SOSをとる振動数のリストは読み込みます。振動数ゼロは常に入るので,リストに含める必要はありません。
Hartree-FockやDFT法でエネルギー計算が可能です。最適化は数値的グラジェント(勾配)を用いて行うことができます。
以下は,TD励起状態計算の出力におけるキーとなる部分を抜粋したものです:
Excitation energies and oscillator strengths:
Excited State 1: Singlet-A2 4.1280 eV 300.35 nm f=0.0000
8 -> 9 0.68197
This state for optimization and/or second-order correction.
Copying the excited state density for this state as the 1-particle
RhoCI density.
Excited State 2: Singlet-B2 6.4912 eV 191.00 nm f=0.0356
8 -> 10 0.70318
Excited State 3: Singlet-A1 7.4378 eV 166.69 nm f=0.0541
8 -> 11 0.70219
状態ごとに結果がまとめて出力されます:スピン・空間対称性,励起エネルギー,振動数強度,(行を変えて)CI展開における最大の係数。
ECDの結果も次のように出力されます:
<0|del|b> * <b|rxdel|0> (Au), Rotatory Strengths (R) in
cgs (10**-40 erg-esu-cm/Gauss)
state X Y Z R(velocity)
1 0.0045 -0.0007 -0.0001 5.6444
2 -0.0040 -0.0004 0.0018 -2.9442
3 -0.0007 -0.0024 0.0043 1.3201
<0|r|b> * <b|rxdel|0> (Au), Rotatory Strengths (R) in
cgs (10**-40 erg-esu-cm/Gauss)
state X Y Z R(length)
1 -0.0300 0.0048 0.0007 5.7826
2 0.0193 0.0017 -0.0083 -3.0068
3 0.0034 0.0111 -0.0200 1.3067
平日9:30~17:30 (土曜日、日曜日、祝祭日、年末年始、夏期休暇は、休日とさせていただきます。)