Gaussianはユーザーが必要だと考えていることができるよう設計されています。標準的なインプットは全てフリーフォーマットやニーモニック形式です。インプットデータに対しては適切なデフォルトが設定されており,またアウトプットは自明なようになっています。高度なユーザー向けにデフォルトを上書きできたり,Gaussianシステムにユーザー自身で書いたコードを接続できるような仕組みが用意されています。ユーザーが計算を実施することに労力を注ぐのではなく,化学的問題へ方法を適用することや新しい方法の開発に集中できるよう,プログラム開発者らは努力を払っています。
Gaussian 03システムの技術的な機能については,後述のサブセクションに記載されてあります。
これらのモデルは全て溶液内の系をモデリングするために自己無撞着反応場(self-consistent reaction field; SCRF)法を用いています。
- Onsagerモデル(双極子,球状) [281,282,283,284]。これではHFおよびDFTレベルでの解析的1次および2次導関数,またはMP2, MP3, MP4(SDQ), CI, CCD, QCISDレベルでのシングルポイント(一点)エネルギーが計算可能です。
- Tomasiとその共同研究者らによる分極連続体モデル(PCM)(重なり合った球)[285,286,287,288,289,290,291,292,293,294,295,296,297,298,299,300,301,302,303]。これは解析的HF, DFT, MP2, MP3, MP4(SDQ), QCISD, CCD, CCSD, CID, CISD エネルギーとHF, DFTグラジェント・振動数計算で利用できます。
- IPCM (静的等密度面;static isodensity surface)モデル[307]でHF,DFTレベルのエネルギーが計算可能です。
- SCI-PCM(自己無撞着等密度面; self-consistent isodensity surface) モデル[307]でHF,DFTレベルの解析的エネルギー,グラジェント,数値的振動数が計算可能です。