この計算タイプでは,Hartree-FockやDFT波動関数の安定性を調べます。Gaussianは様々な制限[106,107] を緩めて単一行列式(single-determinant)波動関数の安定性を調べます([560]を参照)。これらは次のようなことを行います:
デフォルトでは, 全ての不安定性を調べますが,波動関数を再最適化は行いません。Stable=Optを指定すると,波動関数を必要があればデフォルトで非制限にするようになります。振動数計算より前に結果を調べるには,制限波動関数に対して一重項不安定性が存在するか,または非制限波動関数に対して不安定性(一重項または三重項)が存在するかを調べるだけで十分です。Møller-Plesset計算より前に結果を調べるには,軌道のペアが同じ空間対称性の軌道と混ざるならば内部不安定性だけが結果の妥当性に影響を与えます。不安定な波動関数に基づく制限Møller-Plessetエネルギーの妥当性を,UHFになるかで検討することはなお疑問が残ります[571]。
Stableキーワードを指定すると,通常のように波動関数を計算し,その後得られた行列式が考慮に入れている特定の自由度で局所的安定になっているかどうかを調べます。注意しないとならないのは,解析的振動数計算は波動関数が内部不安定性を持っていない場合にのみ妥当であり,Møller-Plesset計算は波動関数が束縛されている対称性で内部不安定性をもっていない場合のみ妥当であることです。デフォルトでは,実の不安定性(つまり複素でない)のみ探します。複素安定性をチェック(Link 902)するコードは古く,また信頼性が低く,複素軌道に関心がない限り用いるべきではありません。
外部実不安定も内部不安定性も調べます(デフォルト)。
内部不安定性(同じ束縛でのより低い行列式)のみ調べます。
波動関数のテストと再最適化を,実,スピン制限に制約します。Singletと同義です。
波動関数のテストと再最適化を,実,スピン非制限に制約します。Tripletと同義です。
スピン制限波動関数の実から複素の不安定性を調べます。
スピン非制限波動関数の実から複素の不安定性を調べます。
不安定性が見つかった場合,適切な制約をはずして波動関数を再最適化し, 安定な波動関数が見つかるまで安定性のテストと再最適化を繰り返します。RepOptはOptと同義です。NoOptは再最適化を行いません(デフォルト)。
不安定性が見つかった場合,SCFを1回だけやり直します。
ダイレクト計算を強制的に用います(デフォルト)。
変換された2電子積分(つまり,MO基底の積分)を用いて安定性計算を強制的に用います。
AO積分(ディスクに書き込み)を用い,積分変換を行わずに計算を強制的に用います。ディスク量が非常に限られているシステムでの小さな分子以外では,AO基底はめったに最適な選択にはなりません。SCF=Convenが指定されているときにはデフォルトです。
in-coreアルゴリズムを強制的に用います
変換された積分からメモリ上に形成した行列のin-core完全対角化を強制的に行います。MO積分の利用を意味します。
チェックポイントファイルから計算を再スタートします。SCF=Restartを指定したことにもなります。
HFおよびDFT法
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