このキーワードを指定すると,Outer Valenceグリーン関数(Outer Valence Green’s Function) (伝播関数;propagator)計算を行い,相関効果が含まれた電子親和力およびイオン化ポテンシャルを求めます[243,244,245,246,247,248,249,549]。
OVGF計算はデフォルトで<ia||bc>積分を保存します。CPU時間を短縮するためにTran=Fullで計算することもできます(ただし,ディスク容量はさらに必要となります)。一方,Tran=IJABで計算を行うと,ディスク容量は少なくてすみますがCPU時間はかかります。後者の方法では,電子親和力は求められません。
デフォルトでは,イオン化ポテンシャルは20 eVより小さいものだけが計算されます。
ReadOrbitalsオプションを用いると,インプットとしてリファインするために最初の軌道と最後の軌道を指定できます。デフォルトでは,全軌道が用いられます。
このキーワードを指定すると内殻固定オプションが有効になり,相関計算から内側の殻を取り除くことになります。詳細についてはここを参照してください。
リファインする最初の軌道と最後の軌道を,別々に指定します。 インプットセクションの終わりには空白を置きます。非制限計算では,アルファとベータ軌道に対して別々に範囲を(同じインプット行で)指定します。
シングルポイント(一点)計算のみ計算可能です。
OVGF計算では,各軌道に対する結果が以下のように出力されます:
Summary of results for alpha spin-orbital 6 P3: Koopmans theorem: -0.72022D+00 au -19.598 eV Converged second order pole: -0.61437D+00 au -16.718 eV 0.840 (PS) Converged 3rd order P3 pole: -0.63722D+00 au -17.340 eV 0.854 (PS)
出力の2行目に,イオン化ポテンシャル・電子親和力の計算値が指定された軌道に対して与えられます(そのようなプロパティは軌道が占有しているかそうでないかに依存します)。極強度(pole strength)はその励起のしやすさを示す指標で,1.0が最大値です。出力中の軌道は対称性の順になっている(軌道の番号順には必ずしもなっていない)ことに注意してください。
平日9:30~17:30 (土曜日、日曜日、祝祭日、年末年始、夏期休暇は、休日とさせていただきます。)