このオプションでは, post-SCF計算で固定する内側の軌道を指定します。Gaussian 03 では,プログラムですでに用意されているものに加え,オプションで指定することも可能です[489]。
このオプションは「内殻固定(frozen-core)」,つまり電子相関計算から内側の殻を取り除くことになります。これはデフォルトの計算モードです。FC, Full, RW ,Windowは互いに排他的なオプションであることに注意してください。このオプションは,6-31Gや6-311G基底系を用いているときにはFreezeG2と同じであり,またその他の基底関数系ではFreezeNobleGasCoreと同じことになります。ただし,第3周期以降のアルカリおよびアルカリ土類元素では,外側のsおよびp内殻軌道は固定しません(G2/G3 での決め方と一致)。
post-SCF計算では,最大の希ガス内殻部分を固定します。FrzNGCはこのオプションと同義です。
post-SCF計算では,最大の希ガス内殻の一つ下まで固定します。つまり,最も外側の内殻軌道は残します。FrzINGCやFC1はこのオプションと同義です。
G2での決め方にしたがって軌道を固定します。主族元素のd軌道は固定しますが,第3周期以降のアルカリおよびアルカリ土類元素では,外側のsp内殻軌道は価電子軌道のままとします。
このオプションを指定すると,全電子を相関計算に含めます。
“read window”オプションは,post-SCF計算で検討する軌道をインプットファイルで指定することを示します。必要となる入力セクションは,検討する始めの軌道と終わりの軌道を指定する行から成り,その後に空行を入れます。この値をゼロにすると,計算している系に応じて最初あるいは最後の軌道を指定したことになります。始めの軌道に対して負(-m)で指定した場合,高いほうからm個の軌道を含めます。終わりの軌道に対して負(-n)で指定した場合,高いほうからn個の軌道を固定します。mが正でnが省略された場合には,nはデフォルトで0になります。mが負でnが省略された場合には,高いほうから|m|個の占有,低いほうから|m|個の仮想軌道を含めます。
以下に, C4H4の計算で例をいくつか示します。
0,0にすると,Fullと同じことになります。
5,0と指定すると,4個の内殻軌道を固定し,仮想軌道をすべてそのままとします(これは基底関数がsingle zeta coreの場合FCと同じです)。
5,-4と指定すると,4個の内殻軌道と高いほうから4個の仮想軌道を固定します。これはdouble-zeta core基底関数では適切な内殻固定です。
6,22と指定すると,post-SCF計算には軌道6から22を含めます。例えば,C4H4 は28電子系であるので,閉殻計算であれば,占有軌道は14個であり,そのうち5個の軌道を固定することになります。つまり,post-SCF計算には9個の占有軌道(軌道6-14)と8個の仮想軌道(軌道15-22)を含めます。
-6と指定すると,軌道9から20を含めます。
ReadWindowはRWと同義です。
ReadWindowオプションと同じ機能ですが,入力ストリームから読み込むではなく,ルートセクションのパラメータとして指定します。
以前のジョブで読み込んだwindowをチェックポイントファイルから取り出します。
固定する(post-SCF計算から除外する)軌道のリストを入力ストリームから読み込みます(最後は空行)。非制限計算ではリストが2つ読まれます。軌道を範囲で指定することも可能です(例えば,2 7-10 14)。
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