これらのキーワードを指定すると,MartinによるW1法を用います[94,95]。W1法には2つのバリエーションがあり,一つ目は,W1U法でW1Uキーワードで選択できます。これは,開殻系でROCCSDの代わりにUCCSDを用いるように修正されたW1法です。二つ目は,coupled clusterの代わりにBDを用いた関連方法で,W1BDで選択できます[96]。この方法はCBS-QB3やG3より共にコストがかかりますが,より精度が高い方法です。
W1ジョブでは標準的な方法を用いて同位体を指定する必要があります。しかし異なる条件下での完全計算を再実行するために,ReadIsotopesオプションも残っています(例を参照してください)。
代わりとなる温度,圧力や同位体を指定します。デフォルトは,298.15 K, 1気圧,最も豊富な同位体です。これらは次のようなフォーマットで別のインプットセクションとして与えます
temp pressure [scale] 値は実数でなければなりません 原子1の同位体質量 原子2の同位体質量 ... 原子nの同位体質量
ここで,temp, pressure, scaleは,熱化学解析で用いる求めたい温度,圧力と振動数データのスケール因子(オプション)です(scaleが省略されるか,0.0にした場合には,選択した方法によって決められたデフォルト値を用います)。これらの値は実数でなければなりません。残りの行では,分子中の各原子の同位体質量を,分子指定セクションの原子順で指定します。原子質量に整数を用いた場合,自動的に対応する実在の正確質量を用います(たとえば,18と指定するとO18を用いることになり,Gaussianは17.99916の値を用います)。
完了していないW1計算を再スタートします。
計算サマリ出力 構成ジョブステップの全ての出力の後に,Gaussian は本方法による結果のテーブルを出力します。以下にW1Uの出力の抜粋を示します。
W1 Electronic Energy -76.483031 Temperature= 298.150000 Pressure= 1.000000 E(ZPE)= 0.020965 E(Thermal)= 0.023800 W1 (0 K)= -76.462067 W1 Energy= -76.459231 W1 Enthalpy= -76.458287 W1 Free Energy= -76.479709
熱化学解析の後に予測エネルギーが出力されます。
平日9:30~17:30 (土曜日、日曜日、祝祭日、年末年始、夏期休暇は、休日とさせていただきます。)