Counterpoise補正[433,434]はCounterpoiseキーワードを用いて,計算することができます。Counterpoise補正はエネルギー計算,最適化または振動数計算や,BOMDで用いることが可能です。
Counterpoiseキーワードには分子環境下にあるフラグメントあるいはモノマーの数を指定する整数値が必要です。またこの機能では,各原子がどのフラグメント・モノマーに属するかを示すために,原子指定の終わりに整数値を追加する必要があります。
DFT求積法での積分グリッド点に対して,新形式のゴースト原子を用います。NewBqはNewGhostと同義です。これはデフォルトであり,推奨方法です。
旧形式のゴースト原子を用います。OldBqはOldGhostと同義です。このオプションは以前の結果と比較しようとする場合にのみ有用です。
Counterpoise入力の例。以下は,Z-matrix(左)・カーティシャン(右)を用いた例です。
# MP2/6-31G Counterpoise=2 Opt # MP2/6-31G Counterpoise=2 Opt
Counterpoise with Z-matrix Counterpoise with Cartesian
0,1,0,3,1,2 0,1
O,0.0,0.0,0.0,1 ここから構造 1 0.00 0.00 0.92 1
O,1,ROO,2 9 0.17 0.00 2.73 2
X,1,1.,2,X3O 1 0.77 0.00 3.43 2
H,1,RO1H,3,HOX3,2,90.,0,1 9 0.00 0.00 0.00 1
H,1,RO1H,3,HOX3,2,-90.,0,1
X,2,1.,1,52.5,3,180.,0
H,2,RO2H1,6,H7OX,1,180.,0,2
H,2,RO2H2,6,H8OX,1,0.,0,2
Z-matrix 変数...
Z-matrix入力では,フラグメント番号の前に(最後の角度が2面角であることを示すために)2面角の値あるいは変数のあとに0が必要となることに注意してください。また,Z-matrixの最初の原子はカーティシャン座標で与えなければなりません。このようなジョブにおける入力のフラグメント番号指定では,明らかにカーティシャン座標を用いたほうが簡単でしょう。
また,先のZ-matrixでは電荷とスピン多重度をフラグメントで指定する方法を例示しています。この入力行のフォーマットは次のようになります:
全電荷,全スピン,フラグメント1電荷,フラグメント1スピン多重度,フラグメント2電荷,フラグメント2スピン多重度
ECPを用いたcounterpoise最適化の例:
# hf/lanl2dz counterpoise=2 nosymm opt test
HBr + HF, optimization with counterpoise correction using ECP basis
0 1
H -0.046866 0. 0.586860 1
Br -0.331864 0. -0.801000 1
F 0.396755 0. 2.739275 2
H 0.584835 0. 3.641534 2
Counterpoise出力の例。以下にCounterpoise計算のサンプル出力を示します:
Counterpoise: BSSE energy = 0.003902746890
これらの行ではCounterpoise補正エネルギーおよび基底関数重ね合わせ誤差(BSSE)を表示しています。
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