Gaussianには広範なテストジョブが用意されており,またそれに対応する結果も用意されています。テストインプットファイルは,$g03root/g03/tests/com ディレクトリにあります。アウトプットファイルは,$g03root/g03/tests 下のサブディレクトリにマシン別に(たとえばRS/6000のファイルであればtests/rs6k に)あります。自動的に一連のテストジョブを実行するコマンドファイルも用意されています(詳細は後述)。
ソースコードからプログラムをビルドする場合,テストジョブをいくつか実行し,プログラムが正しくビルドできているか確認するようにしてください。ただしその場合でも全てのテストを実行する必要はありません。バイナリでプログラムが配布されている場合には,テストジョブを実行する必要はありません。
テストジョブのインプットファイル名はtestnnn.comのようになっています。テスト1, 28, 94, 155, 194, 296, 302で一連のGaussianの機能をカバーしてあります。テストジョブによっては高性能な計算機向けのものもあり,低機能・低速な計算機では相当コストがかかるものもあることに注意してください。ファイル$g03root/g03/tests/tests.idxに各テストジョブの内容が記載されてあり,用意されたリファレンスアウトプットファイルを調べれば各ジョブでのCPU時間が予測できます。これらの情報を得るために,次のコマンドを用います:
$ cd $g03root/g03/tests/`gau-machine`
$ grep “cpu time” *.log
ユーティリティ gau-machineは,全UNIXプラットホームのシステム名(つまり,自分が実行する計算機のタイプに対応するキーワード)を返します。
いくつかもしくは全てのGaussianテストジョブを実行することにした場合,必ずプログラム組み込みのデフォルト設定で計算が実行されるようにしてください。それ故,サイトごとのDefault.Routeファイル($g03root/g03ディレクトリに置かれています)や各自のデフォルトファイルのファイル名を変えておく必要があるかもしれません。これらのファイルがあるとその設定がテストジョブを実行する際に優先されてしまい,設定によってはテストジョブが失敗する原因になることに注意してください。
$ mkdir /chem/newtests; cd /chem/newtests
$ ln -s $g03root/g03/tests/com .
$ mkdir `gau-machine`
$ $g03root/g03/tests/submit.csh m n &
最後に示したコマンドを実行すると,テストmからnまでを実行します。
各テストジョブが終了した後,それらが成功に完了したかどうか確認してください。そのため,アウトプットと,リファレンスアウトプットの比較をd1スクリプトを用いて行います。たとえば:
$ $g03root/g03/tests/d1 m n
d1スクリプトは,mからnまでのテストジョブについてアウトプットファイルから無意味な違いを取り除き,残りの部分をmoreコマンドにパイプ出力します。ここで表示される相違は,あまり本質的でないような内容に限られていないとなりません。
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