LSFコマンドマニュアル

bkill


bkill
     未完成のジョブを中止、中断、または再開するためのシグナルを送
     信します。

形式
     bkill [-l] [-R] [-J job_name] [-m host_name | -m host_group]
     [-q  queue_name]  [-r | -s (signal_value | signal_name)] [-u
     user_name | -u user_group |  -u  all]  [job_ID  ...  |  0  |
     "job_ID[index]" ...]

     bkill [-h | -V]

機能説明
     デフォルトでは、指定したジョブを中止するための一連のシグナル
     を 送信します。UNIX では、SIGINT と SIGTERM を送信してジョブ
     に終了前の後処理を行うチャンスを与えてから、SIGKILL を送信し
     て ジョ ブ を 中 止 します。各シグナルを送信する時間間隔は、
     lsb.params(5) の JOB_TERMINATE_INTERVAL パラメータによって定
     義されます。

     Windows NT では、ジョブ制御メッセージ に よっ て  SIGINT  と
     SIGTERM のシグナルが置換され (しかし、これらを処理できるのは
     カスタマイズされたアプリケーションだけです)、ジョブを中止 す
     るために TerminateProcess() システムコールが送信されます。

     ユーザは、自分のジョブだけを操作できます。他のユーザによって
     投入されたジョブを操作できるのは、root と LSF 管理者に限られ
     ます。

     シグナル要求がジョブ実行ホストに到達できなかった場合 に は、
     LSF は、後でホストが到達可能になったときに、操作を再度試みま
     す。LSF は、最後のシグナル要求を再試行します。

     ジョブが CHUNK_JOB_SIZE を設定したキューで実行されている場合
     には、bkill を実行すると、ジョブ状態に応じて次の結果が得られ
     ます。

  PEND
     ジョブはチャンクから除去されます (NJOBS -1、PEND -1)。

  RUN
     チャンク内のすべてのジョブが中断されま す  (NRUN  -1、 NSUSP
     +1)。

  USUSP
     ジョブが完成し、チャンク内にジョブが残っていれば次のジョブが
     起動します (NJOBS -1、PEND -1、SUSP -1、RUN +1)。

  WAIT
     ジョブが完成します (NJOBS-1、PEND -1)


     システムから繰返しジョブを除去するには、bdel を使用しま す。
     繰 返しジョブに対して bkill を使用すると、ジョブが起動されて
     いる場合には現在の実行が中止され、ジョブがキューに再登録され
     ま す。 繰り返し実行するジョブの設定方法については、bcadd(1)bsub(1) を参照してください。詳細については、bdel(1) を 参
     照してください。

     ジョブを中止できない場合には、bkill -r を使用します。これ に
     よって、ジョブの終了を待つことなく、LSF システムからジョブを
     除去し、ジョブのリソースを解放することができます。

     bkill と一緒に、ジョブ ID または -m、-u、-q、または -J を 指
     定する必要があります。

オプション

     -l

     bkill によってサポートされているシグナル名を表示します。これ
     は、/bin/kill によってサポートされるシグナルのサブセットであ
     り、プラットフォームに依存します。


     -R

     ジョブグループツリー上のジョブに再帰的に作用します。


     -J job_name

     指定した job_name を持つジョブにだけ作用します。job_ID オ プ
     ションで 0 以外のジョブ ID が指定された場合には、-J オプショ
     ンは無視されます。


     -m host_name | -m host_group

     指定したホストまたはホストグループにディスパッチされたジョブ
     に だけ作用します。job_ID が指定されない場合には、最後に投入
     された限定ジョブだけに作用します。job_ID オプションで 0 以外
     の ジョブ ID が指定された場合には、-m オプションは無視されま
     す。ホストとホストグループの詳細につい て は、 bhosts(1)bmgroup(1) を参照してください。


     -q queue_name

     指定したキュー内のジョブにだけ作用します。

     job_ID を指定しない場合には、最後に投入された限定ジョブだ け
     に作用します。

     job_ID オプションで 0 以外のジョブ ID が指定された場合には、
     -q オプションは無視されます。

     キューの詳細については bqueues(1) を参照してください。


     -r

     オペレーティングシステムでジョブが終了するのを待つことなく、
     ジョブを LSF システムから除去します。

     -r なしの bkill と同じ一連のシグナルを送信しますが、ジョブは
     シ ステムからすぐに除去され、ジョブは EXIT とマークされ、LSF
     が最初のシグナルを受信すると、LSF が監視するジョブリソースは
     すぐに解放されます。

     bkill コマンドが発行されても、SBD の影響が到達しない ジョ ブ
     (ZOMBI  状態のジョブ) にも作用します。ジョブが完全に除去され
     る前に SBD が回復した場合には、LSF は bkill -r で中止され た
     ゾンビジョブを無視します。

     bkill -r を使用するのは、オペレーティングシステムで中止で き
     ないジョブや、bdel または bkill を使用して除去できないジョブ
     に限ります。

     -r オプションは -s オプションと一緒に使用できません。


     -s (signal_value | signal_name)

     指定したシグナルを指定したジョブに送信します。指定でき る の
     は、SIG 接頭辞を取り除いた名前 (KILL など)、または (9 などの
     ) 数です。

     bkill -l を実行すると、適格なシグナル名がリストされます。

     -s オプションは -r オプションと一緒に使用できません。

     bstop や bresume を使用する代わりに、適切なシグナルを使用 し
     て、 bkill  -s によってジョブの中断と再開を行います。SIGCONT
     シグナルを送信することは、bresume を使用することと同じです。
     順 次 ジョ ブ に  SIGSTOP シグナルを送信したり、並列ジョブに
     SIGTSTP シグナルを送信したりすることは、bstop を使用するのと
     同じです。

     すでに中断されているジョブを中断したり、中断されていないジョ
     ブを再開したりすることはできません。USUSP 状態にあるジョブで
     SIGSTOP や SIGTSTP を使用しても効果はなく、PSUSP 状 態 で も
     USUSP  状態でもないジョブに SIGCONT を使用しても効果はありま
     せん。ジョブ状態の詳細については、bjobs(1) を参照してくだ さ
     い。


     -u user_name | -u user_group |

     指定したユーザまたはユーザグループ (bugroup(1) を参 照 )  に
     よっ て投入されたジョブ (あるいは、予約ユーザ名である all を
     指定した場合には、すべてのユーザによって投入されたジョブ) に
     だけ作用します。

     job_ID を指定しない場合には、最後に投入された限定ジョブだ け
     に作用します。job_ID オプションで 0 以外のジョブ ID を指定し
     た場合には、-u オプションは無視されます。


     job_ID ... | 0 | job_ID[index]

     job_ID または "job_ID[index]" によって指定されたジョブにだけ
     作用します。ここで、"job_ID[index]" では、選択したジョブ配列
     要素を指定します (bjobs(1) を参照)。ジョブ配列の場合 に は、
     ジョブ ID とインデックスを引用符で囲み、インデックスは角括弧
     で囲む必要があります。

     ここでは、任意のユーザによって投入されたジョブを、 -u  オ プ
     ションを使用せずに指定できます。予約済みのジョブ ID である 0
     を使用した場合には、他のオプション (つまり、-m、-q、-u、およ
     び  -J)  を 満足するすべてのジョブが作用対象となります。他の
     ジョブ ID はすべて無視されます。

     0 以外のジョブ ID を指定した場合には、オプショ ン  -u、 -q、
     -m、および -J には効果がありません。ジョブ ID はジョブの投入
     時に返され (bsub(1) を参照)、bjobs コマンドを使用して取得 で
     きます (bjobs(1) を参照)。


     -h

     コマンドの使用法を標準エラー出力に出力して終了します。


     -V

     LSF のリリースバージョンを標準エラー出力に出力して終了 し ま
     す。

使用例
     % bkill -s 17 -q night

     起動者によってキューnight 投入された最後のジョブに、シグナル
     17 を送信します。

     % bkill -q short -u all 0


     キューshort にあるすべてのジョブを中止します。

     % bkill -r 1045

     中止不能なジョブ 1045 の削除を強制します。

関連項目
     bsub(1),  bjobs(1),   bqueues(1),   bhosts(1),   bresume(1),
     bstop(1),  bdel(1),  bparams(5),  mbatchd(8),  kill(1), sig-
     nal(2)
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