LSFコマンドマニュアル

bacct

bacct
     完了したジョブについての課金統計を表示します

書式
     bacct  [-d]  [-e]  [-b  |  -l]  [-w]  [-C  time0,time1]  [-D
     time0,time1]   [-S   time0,time1]   [-f   logfile_name]  [-m
     host_name  ...]  [-N  host_name  |  -N   host_model   |   -N
     CPU_factor]  [-P  project_name  ...] [-q queue_name ...] [-u
     user_name ... | -u all] [job_ID ...]

     bacct [-h | -V]

説明
     完了したジョブについての課金統計を表示します

     デフォルトでは、LSF システム内のすべてのホスト、プロジェクト、
     およびキューに関して、このコマンドを呼び出したユーザによって
     投入されたすべての完了した (DONE または EXIT 状態を持つ) 
	 ジョブの課金統計を表示します。

     デフォルトでは、bacct は、LSF によって現在使用されているジョ
     ブ ロ グファイル (LSB_SHAREDIR/cluster_name/logdir/lsb.acct)
     に記録された、すべてのジョブの統計を表示します  (lsb.acct(5)
     を参照)。

     デフォルトでは、CPU 時間は正規化されません。

     -l と -b の両方が存在しない場合には、要約内のフィールドだ け
     を表示します (出力を参照)。

     bacct によってレポートされなくても、個々のシステム管理者が関
     心を持つ統計については、awk(1) または perl(1) を直接使用する
     ことによって、lsb.acct ファイルを処理して生成できます。

     すべての時間は秒単位です。

  スループットの計算
     LSF システム、特定のホスト、または特定のキューのスループット
     (T) は、次の式で計算されます。

     T = N/(ET-BT)

     ここで、

     - N は、課金統計がレポートされるジョブの合計数です

     - BT は開始時刻です (最初のジョブがログに記録されたとき)

     - ET は終了時刻です (最後のジョブがログに記録されたとき)

     オプション -C time0,time1 を使用すれば、開始時刻を time0、終
     了 時刻を time1 として指定できます。このようにして、特定の期
     間におけるスループットを調べることができます。

     スループットの計算に含まれるジョブは、ログに記録された (つま
     り、 DONE  ま たは EXIT 状態の) ジョブだけです。実行中のジョ
     ブ、中断されているジョブ、および投入されてもディスパッチされ
     て いないジョブは、まだ LSF システム内にあって lsb.acct にロ
     グ出力されていないため、計算の対象からはずされます。

     LSF システムの合計スループットを計算するには、-m、 -q、 -S、
     -D、および job_ID の各オプションをいずれも指定せずに、-u all
     を指定します。特定のホストのスループットを計算するには、-q、
     -S、 -D、および job_ID の各オプションを指定せずに、-u all を
     指定します。特定のキューのスループットを計算するに は、 -m、
     -S、 -D、および job_ID の各オプションを指定せずに、-u all を
     指定します。

オプション

     -d

     正しく完了したジョブ (DONE 状態) だけの課金統計を表 示 し ま
     す。


     -e

     終了したジョブ (EXIT 状態) だけの課金統計を表示します。


     -b

     ブリーフフォーマット。課金統計をブリーフフォーマットで表示し
     ま す。 表示される情報の説明については、出力を参照してくださ
     い。


     -l

     ロングフォーマット。詳細な課金統計を表示します。表示される情
     報の説明については、出力を参照してください。


     -w

     ワイドフォーマット。課金統計をワイドフォーマットで表示 し ま
     す。切り捨ては行われません。


     -C time0,time1

     指定した時間内に完了または終了したジョブだけの課金統計を表示
     します。
     時間フォーマットは bhist(1) の場合と同じです。


     -D time0,time1

     指定した時間内にディスパッチされたジョブだけの課金統計を表示
     します。

     時間フォーマットは bhist(1) の場合と同じです。


     -S time0,time1

     指定した時間内に投入されたジョブだけの課金統計を表示します。

     時間フォーマットは bhist(1) の場合と同じです。


     -f logfile_name

     指定したジョブログファイルから課金統計を検索します。絶対パス
     または相対パスを指定します。

     オフライン分析に役立ちます。


     -m host_name ...

     指定したホストにディスパッチされたジョブだけの課金統計を表示
     します。

     ホストのリストを指定する場合には、ホスト名をスペースで区切っ
     て引用符 (") または (') で囲む必要があります。


     -N host_name | -N host_model |

     CPU 時間を、指定したホストまたはホストモデルの CPU 係数、 ま
     たは指定した CPU 係数によって正規化します。

     ジョブログファイルを指定して bacct をオフラインで使用する 場
     合には、CPU 係数を指定する必要があります。

     ホストモデルと CPU 係数の情報を取得するには、lsinfo を使用し
     ます。


     -P project_name ...

     指定したプロジェクトに属するジョブだけの課金統計を表示 し ま
     す。プロジェクトのリストを指定する場合には、プロジェクト名を
     スペースで区切って引用符 (") または (') で囲む必要があ り ま
     す。


     -q queue_name ...

     指定したキューに投入されたジョブだけの課金統計を表示します。

     キューのリストを指定する場合には、キュー名をスペースで区切っ
     て引用符 (") または (') で囲む必要があります。


     -u user_name ...|-u all

     指定したユーザ (またはキーワード all を指定した場合には、 す
     べてのユーザ) によって投入されたジョブだけの課金統計を表示し
     ます。

     ユーザのリストを指定した場合には、ユーザ名をスペースで区切っ
     て引用符 (") または (') で囲む必要があります。ユーザのリスト
     には、ユーザ名とユーザ ID の両方を指定できます。


     job_ID ...

     指定したジョブ ID を持つジョブだけの課金統計を表示します。

     このオプションは、-b、-l、-f、-h、および -V 以外の、すべての
     オ プションを無効にします。予約済みジョブ ID である 0 が使用
     された場合には、このオプションは無視されます。


     -h

     コマンドの使用法を標準エラー出力に出力して終了します。


     -V

     LSF のリリースバージョンを標準エラー出力に出力して終了 し ま
     す。

出力
  要約 (デフォルトフォーマット)
     ジョブに関する統計。次のフィールドが表示されます。

     - 実行されたジョブの合計数

     - 終了したジョブの合計数

     - 消費された合計 CPU 時間


     - 消費された平均 CPU 時間

     - ジョブの最大 CPU 時間

     - ジョブの最小 CPU 時間

     - キュー内の合計待ち時間

     - キュー内の平均待ち時間

     - キュー内の最大待ち時間

     - キュー内の最小待ち時間

     - 平均ターンアラウンド時間

     - 最大ターンアラウンド時間

     - 最小ターンアラウンド時間

     - ジョブの平均専有率

     - ジョブの最大専有率

     - ジョブの最小専有率

     - 合計スループット

     - 開始時刻: 選択した最初のジョブの完了または終了時間

     - 終了時刻: 選択した最後のジョブの完了または終了時間

     合計、平均、最小、および最大の各統計は、指定したすべてのジョ
     ブに関するものです。

     待ち時間は、ジョブの投入からジョブのディスパッチまでの経過時
     間です。

     ターンアラウンド時間は、ジョブの投入からジョブの完了までの経
     過時間です。

     専有率は、ジョブが費やした CPU 時間を、そのターンアラウン ド
     時間で割った値です。

     スループットは、完了したジョブの数を、それらのジョブの完成に
     要した時間で割った値です。詳細については、機能説明を参照して
     ください。

  ブリーフフォーマット (-b)
     デフォルトフォーマットである要約に加えて、次のフィールドも表
     示します。


     U/UID

          ジョブを投入したユーザの名前。LSF が getpwuid(3) によっ
          て ユーザ名の取得に失敗した場合には、ユーザ ID が表示さ
          れます。


     QUEUE

          ジョブの投入先であるキュー。


     SUBMIT_TIME

          ジョブが投入された時間。


     CPU_T

          ジョブによって消費された CPU 時間。


     WAIT

          ジョブの待ち時間。


     TURN

          ジョブのターンアラウンド時間。


     FROM

          ジョブの投入元であるホスト。


     EXEC_ON

          実行のためにジョブがディスパッチされた 1 つまたは複数の
          ホスト。


     JOB_NAME

          ジョブの名前 (bsub(1) を参照)。

  ロングフォーマット (-l)
     デフォルトによって要約で表示されるフィールド、および  -b  に
     よって表示されるフィールドに加えて、次のフィールドを表示しま
     す。

     JOBID

          LSF がジョブに割り当てた識別子。


     PROJECT_NAME

          ジョブに割り当てられたプロジェクト名。


     STATUS

          ジョブが正しく完了した (DONE) か終了した (EXIT) かを 示
          す状態。


     DISPAT_TIME

          ジョブが実行のために実行ホストにディスパッチさ れ た 時
          間。


     COMPL_TIME

          ジョブが終了または完了した時間。


     HOG_F

          専有率。「CPU 時間」/「ターンアラウンド時間」に等しい値
          です。


     MEM

          ジョブ内の全プロセスの最大常駐メモリ使用量 (キロバイ ト
          単位)。


     SWAP

          ジョブ内の全プロセスの最大仮想メモリ使用量 (キロバイ ト
          単位)。


     CWD

          ジョブの現在の作業ディレクトリ。


     INPUT_FILE
          ジョブがその標準入力の読み込み元とするファイル (bsub(1)
          を参照)。


     OUTPUT_FILE

          ジョブがその標準出力の書き込み先とするファイル (bsub(1)
          を参照)。


     ERR_FILE

          ジョブがその標準エラー出力を格納するファイ ル  (bsub(1)
          を参照)。

ファイル
     lsb.acct を読んでください。

関連項目
     bhist(1)bsub(1)bjobs(1)lsb.acct(5)
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