耐障害性を重視したRAIDレベル1(ミラーリング)のストレージは、I/O性能においてシングルのHDDと同等であると通常は考えられますが、HPC1000-DAS4とMegaRAID SAS 8888ELP(SAS/SATA RAIDカード)の組み合わせで構築されたRAIDレベル1のストレージはI/O性能の向上も得ることが出来ます。
回転する部品を持つため、ある程度の確率で必ず発生するHDDの障害から、大切なデータをRAID1によって守りつつ、手軽にパフォーマンスも向上させられるHPC1000-DAS4は、科学技術計算をはじめとする高いI/O負荷が発生するあらゆる業務にお勧めできるストレージシステムです。
RAID1によるI/O性能の向上を実際に測定しました。以下にその結果を掲載します。
ワークステーションHPC5000-Z800にMegaRAID SAS 8888ELPを搭載、HPC1000-DAS4を接続しHDDをRAID1で構成した場合と、M/B上のSATAコネクタにHDDを接続した場合のI/O性能を比較しました。
種別 | 詳細 | |
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CPU | W5590(3.33GHz/Cache 8192kB) x2 | |
Memory | 24672708 kB | |
HDD | System | ST3500320AS(500GB) x1 |
Single HDD | HDS721010CLA332(1TB SATA300 7200) | |
RAID1 | HDS721010CLA332(1TB SATA300 7200)x2 (RAID1) | |
OS | CentOS 5.3 x86_64(KERNEL: 2.6.18-128.el5) | |
FileSystem | ext3 |
20GBのファイルの書き込みを行い、その時間を測定しました。
single HDD | RAID1 | RAID1のsingle HDDに対する性能比 | ||
sec | MB/sec | sec | MB/sec | |
108.716 | 184 | 94.9454 | 211 | 114.7% |
20GBのファイルの読み出しを行い、その時間を測定しました。
single HDD | RAID1 | RAID1のsingle HDDに対する性能比 | ||
sec | MB/sec | sec | MB/sec | |
152.573 | 131 | 95.5791 | 209 | 159.5% |
Bonnie++-1.03eを用い、あるファイル上のランダムの箇所を一秒間に何回seekできるかを測定しました。
single HDD | RAID1 | RAID1のsingle HDDに対する性能比 |
seek回数/sec | seek回数/sec | |
228.9 | 294.3 | 128.6% |
RAID1構成のHDDがSingle HDDと比べて書き込み、読み出し、ランダムアクセス全ての場合において性能が上回りました。特に読み出しの性能はRAID1構成がSingle HDDに比べて6割の速度向上が見られます。HDDに対して頻繁に書き込み、読み出しが発生するプログラムの実行速度の向上が見込まれます。
耐障害性を主な機能としながらも、パフォーマンスの向上も同時に確保するHPC1000-DAS4とMegaRAID SAS 8888ELPが構成するシステムは、優れたストレージ環境の提供をお約束します。
(平日9:30~17:30土曜日、日曜日、祝祭日、年末年始、夏期休暇は、休日とさせていただきます。)