ちゃんと育児
『男性の育児時短勤務』

家族のため、そして自分自身のためにも、男性の育児参加が欠かせない時代となってきました。当社の育児関連体制構築のさきがけとなったTさんの事例を紹介いたします。

――男性で育児時短勤務を当社で初めて取得されたとお聞きしました。いきさつを教えて下さい。


2010年暮れに誕生した初めての子供が双子であったことから、何としても育児に参加する必要がありました。今でこそ当たり前のように子育て時間を確保する男性が増えていますが、あのころは社内の男性で時短勤務すら取った人がいなかったんです。それに一人で進めている担当業務もあったので、男性の育児にハードルの高さを感じていました。
そこで、まず、上司に相談をしました。どうにかしないといけないと、追い詰められていたんですね。

――初めてのお子さんが双子というのは大変ですね。社内に前例がない中で、上司の方はなんと?


大変なことを理解してくれ、一緒に人事担当者に相談に行ってくれました。
ちょうど厚労省が男性の育児参画を積極的に始めて間もない頃で、ここを手掛かりに自分でも、世の中の育児関連の状況についていろいろと調べ、どのような形が可能か人事と協議を重ねました。
当時は、リーマンショックから立ち直りはじめている時期で、当社はまだ上場前でもあり、様々な社内体制が発展途上の段階でした。そんな中で、給与面での条件と、育児時間確保とのバランスを検討し、時短勤務、という形態に落ち着きました。

――男性の育児参加に対応する体制が整っていない段階だったのですね。上司や人事部門は協力的でしたか?


とても協力的でした。真摯に相談に乗ってくれ、一緒に考えてくれました。もちろん、自分でもいろいろと調べたり、提案・交渉をしたりと努力をしましたが、最終的に皆が納得できる結論を出すことができました。感謝しています。

――大変でしたね。そしてなにより『男性の育児参画』から始まった、というのも当社の先進性を感じさせますね。


そうですね(笑)。まあ、女性だ、男性だ、という以前に、「双子で大変だね…」という共通認識もあったと思います。それに、ちょうどそのころ、当社でベビーラッシュが続いており、男性社員にも育児の大変さが身に染みている人たちが多かったというのもあるかもしれません。若い会社でしたから。
これは女性でしたが、私が帰宅時間を過ぎても会社に残っていると「早く帰れ」と言ってくれる人もいました。

――育児を身近に感じる若いお父さんたちが共に働いている、というのは、同年代の女性にとっても心強いことですね。


その通りだと思います。
この方法を利用できて個人的に一番うれしかったのは、妻から感謝されたことですかね。何もかも初めて尽くしの子育てをいっしょに歩めたことが、妻の心の拠り所に少しなれたみたいです。
結局私の場合は、そのあとの東日本大震災の影響で時短勤務が厳しくなり、両親の助けを借りて何とか乗り越えてきましたが、さらに次の子も生まれ、育児の大変さはとてもよく分かっているつもりです。あのとき苦労して形にしたやり方も、時を経て、より良い制度へと進化しています。また、一人が休んだ時その人の仕事をバックアップする体制も整ってきました。女性でも男性でも、怖がらずに踏み出してほしいと思います。

――育児支援関連制度のパイオニアであるTさんから、後輩の皆さんに一言お願いします。


上でも言いましたが、不安にしり込みしないで欲しいと思います。
育児は確かに大変です。寝る時間も無くなるほどに時間を取られ、「もうダメだー」と思うときだってあります。けれど、それはあるとき突然『子供の成長』という形で終わります。振り返ってみれば、二度と得られない貴重な時間なのです。
『若いときの苦労は買ってでもせよ』と、言いますよね。苦しいときは周りを頼り、巻き込んでいいから、苦労を恐れずチャレンジしてください。
相談すれば、道は開けます。

――ありがとうございました。


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