ホーム » HPCソリューション » HPCアプリケーション » 計算化学・量子化学・分子シミュレーション » Gaussian09

Share |


| Gaussian09概要 | Gausian日本語マニュアル | Linuxシステム構成 | Windowsシステム構成 |


Gaussian09

2011/9/28 Gaussian 09 Revision C.01 がリリースされました!

★ベンチマークテスト、計算機システム構築サービス、日本語マニュアル、ライセンスをお取扱いしています。


 

Gaussian 09 Revision C.01の素晴らしさ

Gaussian 09 が Revision B.01 から Revision C.01 へリビジョンアップしました。Revision B.01よりも、さらに速度が向上し、さらに多くの機能が追加されています。

このリリースでは、Windows64bit版の華々しい登場に目が奪われがちですが、今回のGaussian 09のリビジョンアップにより、Linux版でも速度向上を含む数多くのメリットを享受出来ることを敢えて強調しておきたいと思います。Windowsをお使いの方はもちろん、Linuxをお使いの方も、Gaussian 09 Revision C.01へのリビジョンアップをお急ぎ下さい。今回のリビジョンアップでは、Gaussianの価格体系にも変更があります。例えば、条件によって割引が適用される等、価格もお客様の環境に応じて異なることがありますので、少しでもご興味をお持ちのお客様は、Gaussian社正規代理店の弊社まで「Gaussian 09 Revision C.01について」お問い合わせ下さい。

Windows Gaussian09 64bit版のリリース

Windows Gaussian09 64bit版が遂にリリースされました。このリリースにより、従来、メモリ、ノード内並列数、スクラッチファイルに存在していた各種制限が撤廃されました。

アカデミックユーザの方がWindows64bit版のGaussianを使うためには、Windows64bit版のアカデミックサイトライセンスを保有されている必要があります。今までWindows32bit版のシングルコンピュータ向けライセンスをご購入されたお客様が、今後新たにWindows64bit版のアカデミックライセンスをご購入される場合は、保有ライセンス費用分の値引きを行いますのでご安心下さい。また、現在32bit Windowsサイトライセンスをお持ちのお客様へは、新規ライセンスと所有ライセンスの差額により、32bit/64bitの区別のない Windows版サイトライセンスへアップグレード可能です。

コマーシャルユーザの方は、64bit版G09Wのシングルコンピュータ用ライセンスでも署名付きの契約書の締結が必要となり、Unix/Linux製品と同内容の価格体系となります(一台目の価格、二台目以降は追加の価格となります)。コマーシャル向けG09Wサイトライセンスの価格は変更ありません。詳しくはお問い合わせください。

現時点でGaussianでノードを跨いで並列計算をするために必用なTCP-Lindaは、64bit Windowsではまだ利用できません。近い将来、対応版がリリースされる予定です。

SSE4互換 Intel x86_64に最適化されたLinux版Gaussian09

Nehalem Microarchitecture以降のIntel CPU では、SSE4命令セットを有しています。また、最近のAMD64CPUでもSSE4命令セットに対応しています。旧来の2つのバイナリを含め、次の4つのバイナリとなりました。

前世代CPU向けに生成されたバイナリは、SSE4互換CPUで動作しますが、SSE4互換バイナリと比較して、性能が著しく低下します。SSE4互換バイナリは、SSE4をサポートしないコンピュータ上では動作しない事に注意が必要です。新しいSSE4互換バイナリは、新規プラットフォームとしてライセンス供与されますので、現在、AMD64 LinuxおよびEM64T Linuxプラットフォーム用ライセンスを所持されている方は、マイナーリビジョン購入時、前世代CPU向けに最適化されたバイナリを継続して受け取ることができます。現在、AMD64 LinuxおよびEM64T Linuxプラットフォーム用ライセンスを所持されている方がSSE4用に最適化されたバイナリを受け取るためには、追加マシンタイプ用ライセンスをご購入下さい。

尚、TCP-LindaとGaussViewの同じバージョンが、これらLinuxの全4プラットフォーム上で動作します。

Gaussian 09 Revision C.01で追加された新機能・増強された点について

Gaussian09の新機能の説明

Gaussian09のここが新しい

Gaussian 09 では、より大きなサイズの分子系を、より高精度に、より実環境に近い状態で モデル化できるよう、新たな機能の追加と同時に、大幅なパフォーマンスの向上を果たし ました。そのうちのいくつかをここでご紹介いたします。

Gaussian09の「ONIOM」による巨大な系のモデル反応

Gaussian のONIOM 機能はMO:MM 計算においてelectronic embeded 法を取り込んで います。これにより、MM 領域の静電効果をQM 計算中に考慮することができます。加え て、モデル系の原子とMM 領域にある原子間のカップリングを考慮し、さらにMM 領域で は通常の最適化ステップの中でミクロ反復を用いており、より高速で信頼性の高いアルゴ リズムとなっております。さらにGaussian 09 のONIOM では、これらに更なる強化が図 られました。

非ヘム鉄を持つ酵素=イソペニシリン N シンターゼ(IPNS)

図では水素を表示しておりませんが、5368 個の原子からなる分子で、重要な生化学反応を司る触媒として振る舞う酵素です。この分子をモデリングすることで、たんぱく質のマトリックスと金属元素それぞれがどのように触媒活性に寄与しているのかの理解に役立って います。
Reference: M.Lundberg, T.Kawatsu, T.Vreven, M.J.Frisch and K.Morokuma,JCTC 5(2009)222.

IRC計算によるエネルギープロット

Gaussian 09 のONIOM は、マクロおよびミクロ反復最適化手法がきちんと整合性を保っ ているが故に、反応の最中の遷移構造を最適化することが可能です。また、この手法はQM 領域での2 次結合の効果をMM 領域へ厳密に取り込むこともしています。遷移構造の最適 化に関して、まず振動計算によって確認された構造を初期配置とし、IRC 計算により反応 経路を求めた結果が下図になります。

IRC 計算による構造変化を見る

上述のエネルギープロット上にアスタリスク(*)がありますが、それぞれの位置に対応 する構造を下図に示します。右から左へと追ってみましょう。中央が遷移状態に相当しま す。反応経路の中で、プロトン移動が黄色で示される硫黄原子の近傍で起きているのが確 認できます。

また、これらの図はGaussView5 でIRC アニメーションとして作られたものの抜粋です。

Gaussian09の気相中ならびに溶媒中での励起状態について

Gaussian 09 は励起状態、反応に関する計算について、多くの機能を追加しています。

ポルフィリンのQxバンドスペクトルについて計算値と実験値の比較

このグラフは吸光・発光度の線スペクトルですが、それぞれ強度を吸収についてはωで、 発光についてはω^3 で割っています。基底状態の計算にはDFT を用い、励起状態の構造 最適化と振動計算にPBE1PBE 汎関数(いわゆるPBE0)を使ったTD-DFT を、振動解析中の電子の遷移確率を求めるのにFCHT 法を用いています。この手法は全てGaussian 09 が提供します。

計算によるスペクトルの振動数軸については、実験値と合うよう、0.95 倍してあります。 詳細は下記論文を参照してください。

Reference: F.Santoro, A.Lami, R.Improta and V. Barone, J.Chem. Phys.123(2008)224311

Gaussian09の更なる新機能

●溶媒効果に対する重要な強化

上述の励起状態に対するものに加え、SCRF に対しても、反応場の連続性、微分可能性、安 定性を保証するための、連続的な表面電荷の表式を実装しました。また、原子座標や外来 の摂動場に対する微分までも連続性を保証しています。この結果、溶媒中か気相中かによ らず、高速で安定した構造最適化と、振動計算の精度向上を実現しています。

●Brueckner Doubles(BD)法のための解析微分

●スペクトル予測の追加

DFT 第1超分極率は解析的に、第2超分極率は数値的に計算できます。 解析的にStatic/Dynamic Raman 強度、同じく解析的にDyanmic ROA 強度計算。 また非調和振動計算に対して改良が加えられています。

●個別の軌道に対する分布解析

●フラグメント軌道を用いた初期軌道の決定と分布解析

●使い勝手の改善

リスタートがさらに多くの計算に対して使えるようになりました。

インプットの分子記述に、フラグメントも同時に記述できるようになりました。原子のタ イプ、ONIOM のレイヤー、残基などについて拘束が可能となりました。振動計算時、興味 のある基準モードを選択したり、ソートしたりできるようになりました。post-SCF 計算で 得られる強度や、基準モードの保存と読み込みができます。

●長距離補正と、経験的分散補正、2重ハイブリッド補正を組み込んだ、DFT汎関数を数多く 導入しました。

●大幅なパフォーマンス改善

巨大分子の構造最適化や振動計算は並列計算で約16 倍、IRC 計算について最大3倍、旋光 度については最大2 倍の高速化を果たしています。

Gaussian09のライセンスと購入について

※なお、今回のリリースに伴い、ライセンスの中身が一部変更になり、特にユーザ様の所属やリモート利用について制限が厳しくなっております。学外利用や共同研究にお使いの場合、必要なライセンスに変更ないしはメインテナンス契約が必須となる場合があります。ご不明な点は、HPCシステムズへお問い合わせ下さい。

参考資料