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Windows版Gaussianの使い方

Default Route Fileの設定

Default Route Fileの設定

サイトごとのカスタマイズ

ある種の計算機システムでは,その特徴に応じてパフォーマンスを向上させるために,プログラム組み込みのデフォルト設定を上書きする必要があるかもしれません。これは,サイトカスタマイズファイルを作成することで対応できます。Unixシステムでは,このデフォルトファイルはDefault.Routeというファイル名で,$g03root/g03.に置かれます。Windowsでは,Default.Rouというファイル名で,Gaussian 03W のメインディレクトリ(たとえば,C:\G03W)に置かれます。このファイルのフォーマットは,どの計算機システムでも同一です。

以下のサブセクションでは,デフォルトファイルで指定可能な情報をタイプごとに説明します。

ルートデフォルト

こららのパラメータは, -#- で始まり,通常のルートセクションコマンドと同じ形式をとります。たとえば,次のような行を指定すると,デフォルトのSCFアルゴリズムが,従来型(非ダイレクト)のアルゴリズムになります:

-#- SCF=Conventional

-#- 行をファイル内に複数指定することも可能です。

Default.Routeに記載されたコマンドはデフォルトを変更するだけであり,インプットファイルのルートセクションで指定したものも上書きします。したがって,Default.Routeに

-#- MP2=NoDirect

が含まれており,ルートセクションにMP2キーワードが含まれていた場合,従来型のMP2アルゴリズムが用いられます。しかし,ルートセクションにMP2=Direct キーワードが含まれていた場合,ダイレクトアルゴリズムが用いられます。

利用可能なスクラッチディスクスペースを指定しておきたいサイトでは,Default.RouteファイルにMaxDiskキーワードを指定しておきます。たとえば,次のような行では,MaxDiskを800 MBとします:

-#- MaxDisk=800MB

この行では, semi-directアルゴリズムで用いられるディスク使用を指定した量までに制限するという効果を持ちます。サイトに応じて適した制限を決めておくべきでしょう。より多くのディスクスペースが利用可能であえば,計算,特にMP2の評価はより速くなることに留意してください。

Default.Routeの制限

全てのルートキーワードが Default.Routeファイルに指定できるわけではありません。そのルールとしては,通常,計算結果に影響を及ぼさない(つまり,予測量の値を変えない)オプションのみファイルに含めることができます。したがって,SCF=Convenは,積分保存アルゴリズムだけを変えるものであり,Default.Routeファイルで指定できますが, Int(Grid=3)は計算の多くの結果に影響を及ぼすので無視されます。

メモリデフォルト

思慮なく過剰なメモリを用いるようなGaussianジョブを行うと,しばしばシステムに深刻な問題をもたらしてしまいます。-M- 命令を指定すると,デフォルトの動的メモリ制限を強制できます。たとえば,以下のような行を指定すると,デフォルトメモリ使用量を32 MBにします:

-M- 4000000

この制限は %Mem Link 0 コマンドで置き換えることができることに注意してください。この値には,ワード以外にもKB, MB, GB, KW, MW, GW で単位を指定することもできます。デフォルトのメモリサイズは6 MWです。

プロセッサ数

用いる計算機システムに複数プロセッサが搭載されてあり,また用いているGaussianのバージョンでパラレル環境がサポートされていれば,Default.Route ファイルに用いるプロセッサのデフォルト数を指定しておくことが可能です。たとえば,以下のようなコマンドを指定すると,デフォルトプロセッサ数を4にします:

-P- 4

通常,プログラムは単一のプロセッサだけで実行されます。%NProcShared Link 0 コマンドを用いると,ジョブごとにデフォルト設定を上書きできます。用いるプロセッサ数は利用可能なプロセッサ数を超えてはなりません。さもないと,パフォーマンスの重大な悪化をもたらします。

サイト名

サイト名も -S- 命令で指定できます。このサイト名は,Gaussianで生成されるアーカイブエントリで用いられます。デフォルトのサイト名はGINCです。たとえば,以下のような行を指定すると,サイト名はEXPCONSになります:

-S- EXPCONS

典型的なデフォルト設定

以下に,いくつかのマシン構成で,ある程度妥当なデフォルト設定例を示します:

  • メモリ 64MB,ディスク 1GBの小規模ワークステーションでは,デフォルトアルゴリズムとメモリアロケーションを行った方がよいでしょう。MaxDiskは必ず指定するべきでしょう。

-#- MaxDisk=400MB

  • 8プロセッサ,メモリ1GBのパワフルなワークステーションでは,大規模ジョブで用いられるため,全8プロセッサをデフォルトで用いるようにするべきでしょう。また,各ジョブでメモリも多く取るべきです。

-M- 64MW
-P- 8
-#- MaxDisk=10GB

ユーザーデフォルトファイル

Gaussianのユーザーは,自分用のDefault.Routeファイルを作成することで,各自のデフォルトを設定しておくことができます。Gaussianはジョブの初期化時に,Default.Routeという名前のファイルがあるかカレント作業ディレクトリをチェックします。ローカルファイルの設定はサイトファイルの設定より優先され,またジョブのルートセクションで指定されたオプションはそのどちらよりも優先されます。

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