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横浜市立大学
北 幸海

"HPCシステムズ社では次の世代を担う未来指向の研究者をご紹介してまいります。
第2回目は量子モンテカルロ法によるアルカリ金属水素化物への陽電子吸着に関する理論的研究で日本化学会第90春季年会(2010)優秀講演賞(学術)を受賞された横浜市立大学院の北 幸海先生にお話をお伺いしました。"

日本化学会第90春季年会 (2010)優秀講演賞(学術)の受賞おめでとうございます。

ありがとうございます。

北先生の取り組まれている研究とはどんな研究でしょうか?

量子モンテカルロ法という理論の開発と応用を行なっています。

量子モンテカルロ法は世界的に注目を集めていますね。 簡単な内容を教えて
 頂けますか?

「量子モンテカルロ法」というのは「量子」と「モンテカルロ法」から成り立っています。
つまり、量子論に基づいた第一原理計算(基底関数と配置)と乱数を用いるシミュレーション (高い並列計算性能)の2つの概念によって構成されています。

シミュレーション技法としての特徴を教えてください。

量子モンテカルロ法は精度が高く汎用性があります。最新のCPUアーキテクチャであるマルチコアに適したアルゴリズムを有する理論研究の新しい手法だと言えます。

一度のシミュレーションでどのくらい計算されるのですか?

多電子原子について、数百万ステップ×配置の計算を行うので、1回の計算でも億のオーダーになります。 そうしたシミュレーションが現実的な時間で計算可能になってきました。

先生がコンピュータシミュレーションを行う際に、最も重要なスペックを教えてください。

巨大なStorageとMemoryは必要としません。 CPUのコア数、ノード数と、InfiniBandです。 特にInfiniBandの導入により計算効率が飛躍的に向上しました。

北先生が研究を始めたきっかけは何でしたか?

17歳の時に都筑卓司先生のブルーバックスでアインシュタインの光電効果を知ったのがきっかけです。 数学も大好きでした。大学に入ることには研究者になることを決断していました。特に物性理論に興味がありました。

大学に入ってからはどんな本を読まれましたか?

キッテルの固体物理学(原書)や砂川重信先生の理論電磁気学です。

大学時代はどんな研究をされていましたか?

大学では分子動力学法の並列化計算やプログラミングを行いました。
やらされているのではなく自分から楽しんで研究をしてきました。

スポーツなどはされていましたか?

冬はスキー部でスキーに行きました。夏はスクーバダイビングです。

ご趣味や休暇はどのように過ごされますか?

料理をするのが好きですね。料理は化学そのものです。 同じものでも手の加え方で、味が変わるところが面白いです。

研究を行う際に気を付けていることはございますか?

自分で目標を定めています。参考文献が間違いになることもあるので、自分で確かめることに手間を惜しみません。

目標とされている研究者はいらっしゃいますか?

特定の方はいません。その時その時で対象は変わっていきます。

プログラミングや数式の導出で手が止まってしまう人も多いと思います。そうした方にアドバイスを頂けたら幸いです。

こんな風に考えています。
  1. やり尽くすこと。
  2. それでもうまく行かないなら距離を置く。
 3. 人と話す。それにより自分の頭を整理する。

理論研究者も実験をするようになり、実験研究者もコーディングする時代
 になる のでしょうか?

私は理論研究を行い、数式を導出して、実装を行い、系に応用します。
実験で言うところの実験装置を作っています。
私は専門性を高めて得意分野を通じてscienceへ貢献することを心がけています。

学生の皆様にメッセージがありましたらお願いいたします。

大切だと思うことは、第一に怖がらずに自分のアイデアを大切にして取り組むこと。
第二に就職、進学においては、自分がその研究で何をやろうとしているかを伝えていくことだと思います。

今後、日本が目指すべき所はどこでしょうか?

日本の外で活躍できる場所があるならば挑戦してみるのも良いことだと思います。
頭脳流出という悲観論ではなくて、将来の日本にとっても利益にもなると思います。

今後の高度科学技術計算分野に必要なものは何でしょうか?

方法論と同時にアプリケーションとしての成果を出す必要がありますね。やろうとしていることの中身を理解したうえで計算することも大切です。

先生のご専門の量子モンテカルロ法はどのように活かされるのでしょうか?高度科学技術計算において重要な意味を持ちそうですね。

量子モンテカルロ法は並列化効率が非常に高いのが特徴です。
たとえば理研スパコン「京」においてもその特徴を最大限に発揮します。

最後に立川先生に今後の展望をお伺いいたします。

コンピュータのエキサスケールのその次を見据えています。
まだまだ埋もれている理論が沢山あると思います。北先生を始め若い研究者が活躍する時代に期待してください。

ちなみに弊社の製品をお使い頂き、その感想はいかがでしょうか?

私たちが行っている量子モンテカルロ法は、並列化にとても適していて、御社からQuadricsを購入させて頂いたことで128並列で「ほぼ100%」の並列化効率化が可能になりました。
良いシステムを組み立てて頂きありがとうございました。

弊社のサポート等の対応はいかがですか?

不具合等が起きた時、いつも迅速に対応して下さり、とても助かっています。

– 本日は誠にありがとうございました。

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