AMBER - 分子動力学計算ソフトウェア

AMBERは有名な分子動力学(MD)計算ソフトウェアの一つです。生体分子に最適化されたAMBER力場、レプリカ交換法や自由エネルギー計算、さまざまな生体分子用解析ツールなど、生体分子向けの計算プログラムが充実しています。

また、化学反応など電子状態を考慮した計算を実現するQM/MM法にも対応しており、内蔵の半経験的手法のほか、Gaussianなど外部の量子化学計算ソフトウェアを利用したab initio QM/MM分子動力学計算も可能です。

AMBERに含まれているプログラムのいくつかは現在、AmberToolsとして公開され、GNU General Public License (GPL)のもと無償で利用可能です。ソースファイルが付属し、MD計算プログラムのsanderやpmemdはFortranで書かれています。なお、AMBERはAssisted Model Building with Energy Refinementの頭文字をとったものです。

主な機能

シミュレーション
古典MD, エネルギー極小化
半経験的量子化学, QM/MM, 量子MD(Centroid, Ring Polymerなど)
MM/PBSA, MM/GBSA
自由エネルギー計算(レプリカ交換法, Steered MDなど), 3D-RISM
X線構造解析, NMR構造解析 など
分子系作成
分子への力場パラメータの割り当て, 分子系の作成・編集
解析
動径分布(RDF), 平均二乗変位, ラマチャンドランプロット, 相互作用解析など
対応力場
古典力場(AMBER力場, GAFFなど)
半経験的手法(AM1,PM3,PM6など)
Gaussianなど外部のab initio・DFT計算プログラムとの連携

リリースノート

AMBER 16

( ambermd.org に掲載されている情報の和訳です )

  • 準等方的圧力スケーリング (GPU版)
  • Charmm van der Waals力の切り替え (CPU版, GPU版)
  • 拡張NMR制限、および、R6平均 (GPU版)
  • Gaussian Accelerated Molecular Dynamics (CPU版, GPU版)
  • 外部電場 (CPU版)
  • Expanded Umbrella Sampling法 (GPU版)
  • pH座標でのpH一定レプリカ交換法 (GPU版)
  • 気相の分子動力学計算(igb=6) (CPU版, GPU版)
  • Nvidia最新のGPU Kepler, Maxwell, Pascalへの対応とパフォーマンスの大幅な向上 (GPU版)
今後アップデートが予定されている機能
  • Adaptively-biased MDの機能向上
  • Intel Knights Landing Xeon Phiへの対応
  • GB法のパフォーマンスおよび並列化効率の向上 (CPU版)
  • PME法のパフォーマンスおよび並列化効率の向上 (CPU版)
  • 熱力学積分法(TI)および自由エネルギー摂動法(FEP) (GPU版)
  • 外部電場 (GPU版)
  • NvidiaのGPU Pascalへの最適化 (GPU版)
  • CUDA 8.0への対応 (GPU版)

AMBER 14

  • AMBERソフトウェアは有償パッケージのAMBERとGNU General Public Licenseで提供されるAmberToolsの2つの部分からなっています。
  • sanderをはじめとする多くのプログラムがAmberTools14のプログラムとして公開されました。
  • 番号はAMBER12までのバージョン番号とは異なり、リリースされた年号を意味する14(=2014年)に変更されました。
( ambermd.org に掲載されている情報の和訳です )
  • シミュレーションを準備・解析するための手続きの改善
  • cpptrajの機能拡張。Grid Inhomogenous Solvent Theory (GIST) の導入
  • 新しい半経験的Born-Oppenheimer分子動力学法 (SEBOMD) 機能
  • 熱力学的積分法による絶対自由エネルギー差計算のための新しい手法
  • 多次元レプリカ交換分子動力学法 (sander, pmemd, pmemd.cuda)
  • 可能な限りピアツーピア通信を利用することで並列性能とスケーラビリティが大幅に向上 (pmemd.cuda)
  • リファレンスマニュアルの再編成
  • scaled分子動力学法の実装 (sander, pmemd)
  • QM/MM計算において、アダプティブ法によるQM領域に対応
  • Adaptive buffered force-mixing QM/MM法
  • implicit溶媒モデルや露わな溶媒におけるpH一定の分子動力学法 (sander, pmemd)
  • pH一定レプリカ交換分子動力学法 (sander, pmemd)
  • pH一定シミュレーション用解析ツールの改善
  • 水素質量の割り当て機能 (ParmEd)
  • chamber-styleトポロジーファイルのサポート (ante-MMPBSA.py)
  • OpenMMを介してGPUを用いるMD計算 (ParmEd)
  • 新しい二価金属イオンパラメータや12-6-4 Lennard-Jonesポテンシャルの追加 (sander, pmemd)
  • 3D-RISMを利用した分子動力学法 (sander)
  • 力のトラジェクトリファイル出力への対応
  • EMAP、SGLDの実装 (pmemd)
  • 線形最小二乗法による二面角項のフィッティング (paramfit)
  • NetCDF version 4へ更新
  • 結晶格子シミュレーションのための新しい解析ツール
  • シェル環境設定のための新しい環境リソーススクリプト
  • CHARMM力場、およびVMDで生成したトポロジーファイルへの対応強化 (chamber)

AMBER 12

(ambermd.org に掲載されている情報の和訳です)

  1. 様々な力場に対応
    • 電荷固定型のタンパク質の力場であるff12SBが追加されました
    • 分極ポテンシャルのサポート強化
    • 脂質の力場Lipid11の他のタンパク質力場との最適化
  2. 溶媒和自由エネルギーの計算の精度が向上
    • Poisson-Boltzmann方程式に基づいた膜タンパク質、周期境界条件の計算
    • 強化された3D-RISM積分式モデル(Kovalenko-Hirata理論)
  3. サンプリング効率が向上
    • Self-guidedランジュバン動力学法(Self-guided Langevin dynamics)
    • 加速化分子動力学法(Accelerated molecular dynamics)
  4. 更新手続きが簡単に
    • インストール作業の簡素化、自動更新への対応
  5. 量子計算との連携が密に
    • d軌道を用いる半経験的量子計算の実装(AM1/dとPM6)
    • QM/MM計算での外部量子計算ソフトウエアとの連携
  6. CPU版とGPU版両方のpmemdへのsander搭載機能の実装
    • 温度レプリカ交換法
    • 等方性周期和
    • 加速化分子動力学法
    • GPU上でNMRoptを用いたさまざまなハーモニックな拘束の対応
  7. ハミルトニアンモデルを変更する自由エネルギー計算がより高精度に
    • 原子の出現・消滅に対応する手法を含む自由エネルギー計算
    • レプリカ交換シミュレーションとの連携強化
  8. 実験情報を用いたシミュレーション
    • 電子密度マップ(cryo EM/MT実験など)を束縛条件に指定
    • シミュレーション中でグループを固定(もしくは一部を自由に)

詳しくはこちらをご覧ください。

価格・ライセンス情報

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(AmberTools14については 無償 です)

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(AmberTools14については GNU General Public License (GPL) となります)

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